問題児と苦労人と泣き虫

~ウタオル地区アジト~

「ヤイバ…私はビックリですよ…」

「…すみません……」

あれから5年の月日が流れた。
ヤイバは水の民の住処、ウタオルを担当しているへーリオスの下で日々訓練に励んでいる。
たくましく成長したヤイバは頭を抱えるへーリオスに申し訳なさそうにしている。

「サラムが一回も訓練に出ていないなんて…!むしろあの子が訓練している所を僕は見たことありませんけど!」

そしてサラムもへーリオスの下で訓練を励むことになっているが、一度も訓練に出ておらず問題児のまま成長していた。

「…お言葉ですが…へーリオス様でも手に負えないことを俺ができるとは到底思え…」

「しかも!夜な夜な抜け出してウタオルの女の子達と遊んでいるだなんて!!まだ訓練をサボっている方がマシですよ!!そんな遊び人に育って僕は悲しい…もう悲しすぎてネフェレーにボコられるのも苦ではなくなってきましたよ…」

「………。」

ラグースのトップ2がこんなおかしいヒトで大丈夫なんだろうか…

ラグースの未来が少し心配になるヤイバ。

「ということなので、一刻も早く女遊びをやめさせてくださいね。ヤイバ」

「…何回も言っていますがやめる気配が」

「貴方にしかできないんですよ」

「…はい……どうにかします…」

へーリオスの圧に敵わず、頭を下げ部屋を出る。
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