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決意の成功作

それから1か月の時が経った。

「…ジュラア…いい加減にあの実験体を実験しなさい」

銀髪の少年は実験者の責任者に呼び出されていた。

「中々実験させてくれないもんは仕方ないだろ」

「実験体に情なんて持つな。このままではお前と実験体にラグー様の手が下るぞ。」

「…実験に成功したって…心は…消えるんだろ……」

「…それが彼に与えられた運命だ。ラグー様は強さに心は不要だとお考えだ。私たちはそれに従うのみ」

銀髪の少年は中々金髪の少年を実験することができなかった。
金髪の少年の実験内容は、心を失くして強者になれるかという実験である。
ラグーが支配するこの世界では、強き者を追い求め日々実験が繰り返されている。

「………。」

「お!帰ってきたな!今日は何して遊…ぶ?」

「実験をするぞ」

実験室に戻った銀髪の少年は金髪の少年を実験台に拘束する。

「そうか!やっと実験する気になったか、ジュラア」

「…ファボ」

「ん?ファボ?」

銀髪の少年がポツリと呟く。
金髪の少年は不思議そうに見る。

「貴様の名前だ…特別に俺がつけてやった」

「な…まえ…そうか…ファボ……今日からオイラはファボだな!にしし!」

「あぁ…」

「ジュラアありがとうな」

今まで以上に嬉しそうな笑顔で銀髪の少年を見る。

「…心を失くさずにだって…強くしてやる…」

強い決意と共に実験が始まった。
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