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ヒメ先輩
……無自覚って本当に怖いね
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世請《よせい》
絶対認めませんから!
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ヒメ先輩
じゃあ、高座くんとも縁を切らないと
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世請《よせい》
うっ……それは……
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クラスの友人、高座。
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とても明るく気さくで好いヤツなのだが、謎や事件、更にオカルトと聞けば、一にも二にも無く目を輝かせ突っ込んで行く。
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現在、高座以外に特段、親しい友人のいない俺には、アイツと縁を切るのは死活問題だった。
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ヒメ先輩
高座くんはね、言うなれば磁石が無く意識しなければ近寄ることも無いの
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ヒメ先輩
でもね、世請くん
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ヒメ先輩
きみは、違うの
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ヒメ先輩
きみの中には強力な磁石が在って、無意識でも迷うこと無く辿り着けてしまうのよ
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ゆえに、縁を切らないとこれからもハードモードで大変な目に遭うよ、と。
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世請《よせい》
けどっ、でもっ、
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世請《よせい》
……あれ。そう言えば今日、高座はいないんですね?
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またも変な出来事に遭遇していた俺に、あの高座が放置するなんて有り得ない。
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だとしても常日頃ハイテンションが標準装備なアイツは見当たらない。
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俺が問うと、ああ、とヒメ先輩は頷いて。
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ヒメ先輩
今日補習だったから。来られなかったんでしょ
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と言《ご》ちた。……待って。
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世請《よせい》
補習?
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ヒメ先輩
補習
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それは、昨日、俺も受けなきゃならないと先生からお達しされたものでは……? 一気に、血の気が引く。
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世請《よせい》
帰ります! あ、いや、学校に戻ります!
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俺は携帯端末をヒメ先輩へ押し付けるように渡すと一目散に階段を駆け降りる。
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最後は何かごろごろした岩が足場になっていたけれど、どうにか下り切れた。
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ヒメ先輩
気を付けてね。今日はもう|私の効果《・・・・》で何も無いだろうけど
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世請《よせい》
はーい! ありがとうございました!
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どうやら、今日もヒメ先輩にお世話になったらしい。
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