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入り口には看板が立っている。神々しいと言うのか、仰々しいと言うのか、看板の名前は神社っぽい。
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覗き込めば、少し上のほうに鳥居が見えた。社はだいぶ上方なのか生い茂る木々も相俟って見えない。
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町の鎮守様、と言うのだろうか。だったらもう少し整備して良いと思う。
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だって、上る始めのほうなんて大きな石を積んだだけなのだ。なぜか少し上がったところからは、ちゃんと石段が土に埋め込まれるみたいに設置されているのに。
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……森とか林より山が正解だったようだ。
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ヒメ先輩は、軽やかな足取りで階段と言い難い、最早山道を登り始めた。セーラー服仕様の制服で、スカートもミニと言う程の長さでは無いのに。
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階段は、上り始めの段を越え鳥居を潜って以降、しばしゆるやかで登り終える手前くらいで再び急になり。
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登り終えると小さな社が在った。
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小さな社は、道を見て想像していたより、きれいだった。……。
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僕は。
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胸がざわりとする、不快感を覚えた。僕は何だか息がしづらく感じて、首元を触った。
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ヒメ先輩
……
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ヒメ先輩
首が気になる?
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ヒメ先輩が質す。頻りに首を触る僕を
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ヒメ先輩
────それで、
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ひたと見据えて。
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ヒメ先輩
あなたは、だれ?
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