「行きましょうか」

  •  僕たちは高校の最寄り駅で降りること無く、更に乗り換えて単線に乗り継いだ。

  •  ヒメ先輩が下車したのは、最寄り駅から幾つか離れた無人駅……

  • や、改札には人がいるのだけれど日中だけで、一定時間が過ぎるといなくなってしまうのだ。

  •  ヒメ先輩は無言で歩き出した。僕も付いて行く。

  •  駅を出て、住宅街方面へ歩き出す。

  • コンビニを過ぎ、十字路を渡って、次の十字路は右に曲がり、再度直進。学校らしき建物を過ぎ、保育園を過ぎ、新たな十字路に着く。

  • 運輸会社周辺に多いせいか、トラックがよく通り、砂っぽい風が舞っている。

  •  十字路は小学校の入り口と標識が在ったが、小学校に行く訳では無いようだ。左に折れて長い下り坂を行き始めた。

  •  途中登れる階段と橋を無視して坂を下り切ると、今度は右の坂道を上がり始める。

  • ヒメ先輩

    行きましょうか

  •  今まで黙っていたヒメ先輩が僕を振り返り言った。

  • 上がる最中で坂の脇に森……と称するのか林、と呼ぶのが正しいのか、もしかすると山だろうか……の小道が見えた。

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