世界の終わりと、きみとぼく。  1

  • 滅亡十日前
  • きみ

    なぁ、世界が終わるらしいで

  • ぼく

    ほぅ。何で関西弁なのかわからんが、マジか

  •  メッセージへ適当に返信して、テレビを点けた。

  •  ぼくは買い物が面倒臭かったので、最後に残っていたカップ麺を食す。

  •  しかし世界が終わるとか、何? 何かのゲームの話?

  •  ぼくは、きみのメッセージを本気にしないでカップ麺を啜る傍らテレビを点けた。

  • 「……この緊急事態に各国が声明を出し、早くも混乱する現場の対応に追われています」

  •  真面目腐った面持ちで、画面の向こうのアナウンサーが言った。

  •  箸を止めて、嘘やん、とか。ぼくは思ったけれど、緊急生放送と題された番組は、読み上げるアナウンサーの後ろで報道部の人? とにかくスタッフも滅茶苦茶言い合いしている。錯綜した情報に怒号が飛び交う映像がチャンネルを変えても垂れ流され、現実らしいことは悟った。

  •  ぼくは麺をごくん、と飲み込んで、取り敢えずきみへメッセージを送った。

  • ぼく

    マジやんか

  •  










     

  •  要するに宇宙からデカい物体が高速で地球目掛けて飛来しているらしい。

  •  かなり距離が在るのに、余りにスピードが早いから、ちゃんとした映像も無いとか、放射線で遮られて巧く実体を捉えられないとか。

  •  でも、大きさだけははっきりしてて、問題は金属も多分に含まれているから、ぶつかったらタダじゃ済まないって。

  •  とにかく、やばいんだなってことだけは理解した。

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