SSまとめ(健全)
受けた矢傷が化膿して熱が出た。だらしなく横たわって休むしか出来ない己に苛立つ。じっとしていると余計なことばかり考えちまう。静かな空間は立つ音も立たない音もすぐに分かる。今日はひたすら静寂が続いた。あぁ、苛々する。
昨日は陸遜が来てくれた。その前は呂蒙さんと周泰さんで、一番に来たのが殿だったのはさすがに驚いた。無理やり体を起こして怒られたけど、あれは俺が悪いんですかね。君主が来て黙って寝てられるわけないでしょうに。
あとは邸の者が体を拭き、水を飲ませ、食事を取らせてくれる。一度洗髪もしてもらった。だから、何一つ困っていないし不自由していない。それなのに、渇きが止まない。普段断りもなしに押し掛けるくせに、こういう時は来ないのかよ。奴を最も求めている自覚があるだけに腹が立つ。何だって俺はあいつに甘えるような欲が湧くんだ。あぁ、苛々する!
――リン。
切望した音が聞こえた。どんどん近付くそれに、情けなくも泣きそうになる。痛めた体は心も軟弱にするんだな。次から絶対に怪我なんざしない。
「おう、凌統。生きてっか」
無造作に開いた戸に向かって枕を投げつけた。動くと脇腹の傷が痛むが、構わず手当たり次第近くの物を放り続ける。
「痛ぇ、おい、こら、てめ、落ち着け!」
「うるせぇ! あんたの顔見て落ち着けるかっつの!」
甘寧は片眉を上げてからずいと近寄り俺の腕を取った。もう投げる物もない俺は、肩で息をしながらその顔を睨み付ける。
「寂しかったのか?」
「あんたの前向きすぎるお考え、どこ殴りゃ直るんだい?」
「悪ぃな、すぐ来れなくて。なんつうかよ、」
聞けよと思ったが、珍しく歯切れの悪い様子に、相当な理由があるのか、それなら弁明させてやろうじゃねぇかとふんぞり返る。顎でしゃくって続きを促した。
「熱出してくだばってるお前、エロすぎて無理……痛ってぇ! お前の蹴りは、ガチで痛ぇから!」
「死ねよバ甘寧!」
「じゃあさっさと治せや! 我慢する身になりやがれ!」
動く度リンリン煩い鈴とがなり声に結局虚無感が消し飛んで気分が良くなったのは、内緒の話。
昨日は陸遜が来てくれた。その前は呂蒙さんと周泰さんで、一番に来たのが殿だったのはさすがに驚いた。無理やり体を起こして怒られたけど、あれは俺が悪いんですかね。君主が来て黙って寝てられるわけないでしょうに。
あとは邸の者が体を拭き、水を飲ませ、食事を取らせてくれる。一度洗髪もしてもらった。だから、何一つ困っていないし不自由していない。それなのに、渇きが止まない。普段断りもなしに押し掛けるくせに、こういう時は来ないのかよ。奴を最も求めている自覚があるだけに腹が立つ。何だって俺はあいつに甘えるような欲が湧くんだ。あぁ、苛々する!
――リン。
切望した音が聞こえた。どんどん近付くそれに、情けなくも泣きそうになる。痛めた体は心も軟弱にするんだな。次から絶対に怪我なんざしない。
「おう、凌統。生きてっか」
無造作に開いた戸に向かって枕を投げつけた。動くと脇腹の傷が痛むが、構わず手当たり次第近くの物を放り続ける。
「痛ぇ、おい、こら、てめ、落ち着け!」
「うるせぇ! あんたの顔見て落ち着けるかっつの!」
甘寧は片眉を上げてからずいと近寄り俺の腕を取った。もう投げる物もない俺は、肩で息をしながらその顔を睨み付ける。
「寂しかったのか?」
「あんたの前向きすぎるお考え、どこ殴りゃ直るんだい?」
「悪ぃな、すぐ来れなくて。なんつうかよ、」
聞けよと思ったが、珍しく歯切れの悪い様子に、相当な理由があるのか、それなら弁明させてやろうじゃねぇかとふんぞり返る。顎でしゃくって続きを促した。
「熱出してくだばってるお前、エロすぎて無理……痛ってぇ! お前の蹴りは、ガチで痛ぇから!」
「死ねよバ甘寧!」
「じゃあさっさと治せや! 我慢する身になりやがれ!」
動く度リンリン煩い鈴とがなり声に結局虚無感が消し飛んで気分が良くなったのは、内緒の話。