恋のカタチの示し方
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…邪魔が入ったヨ」
『へ…?』
あと少し、というところで隊長が体を離して不機嫌そうに呟く
何が起こったのか分からずきょとんとしていると背後で扉がノックされ、
驚きで思わず飛び上がってしまった
「涅隊長!霊波計測研究所より至急御確認いただきたい案件があり…」
「五月蠅い!喚かずとも聞こえているヨ!全く…」
隊長は扉の前にいる局員に𠮟責すると、溜息を吐いて取っ手に手を掛ける
が、
こちらに向き直ったかと思ったら瞬時に抱き寄せられ、額に口付けを落とされた
「続きを望むなら待ってい給え、直ぐに戻るヨ」
瞬く間も無く、ニヤリと口角を上げて部屋を出ていく隊長に声を掛ける事も出来ず
私はその場にへたり込み、未だ廻らない脳味噌で一生懸命状況を整理していた
つまり、私の反応を面白がってからかっていると思っていたのがそもそも勘違いで
私に好意を抱いていただいていたからこその接触だったということ…?
…私は涅隊長と両想いだってこと!?!?
一体いつから!?
もしかして阿近さんから言葉を濁された時にはもう?
…隊長に触れられた部分が、まだ熱い気がする
それにさっき…一瞬だったけど、くち、くちが…
予想外の展開と、触れた唇の感触と温もりが一気にフラッシュバックして脳味噌が爆発してしまう
私はただ書類に署名をして貰いに来ただけなのにこんな事になるなんて、と
当初の目的を思い出して書類に目をやれば、
握り締めていたせいでぐしゃぐしゃになってしまっていた
…これはこれで別の意味で怒られてしまう
深い溜息を吐きながら床で皺を伸ばし、あとどれくらいで戻られるだろうかと扉の方に顔を向けた
ふと、私は退室する際の隊長の言葉を思い返す
…“続きを望むなら待ってい給え”…
それ即ち、
此処で待っていたらその意思表示になるということ
…まずい、まずいまずいまずい非常にまずい!!
私は署名をして貰いたいから待っていただけなのに、
隊長からしたら私が続きを所望するが故に待っていたと捉えられてしまう
そうじゃないのに!…いや!嫌という訳ではないけど!寧ろ死ぬ程嬉しいけど!
この状況で待ちの姿勢だと物凄く恥ずかしいと気付いてしまったのがいけなかった
どうしよう、適当にメモを置いて部屋を出て行こうか
いやそれだとまた受け取りに行かなきゃだから絶対気まずいし失礼になるかも…
なんて、一人右往左往していれば外側から部屋の扉が開かれた
恐らく十分も経っていない
再び閉められた扉は内鍵を掛けられ、その音に全身が緊張で強張る
振り返れば満面の笑みを浮かべた想い人が、
こちらに向けて両手を広げていた
「名無し」
ああ、これは直ぐに帰してもらえないだろう
色々と察して諦めた私は書類を、
汚れないよう離れた場所に置くことにした
慈しむ様に私の名前を呼ぶ声を
愛おしそうに私を見つめる瞳を
不器用で純粋な、その心を
正面から抱き締める為に
end
