恋のカタチの示し方
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「そんな事よりお前が管理してたこの書類
隊長の署名が漏れてるから貰ってこい、提出期限明日だぞ」
『えっ!?今の今まで死にそうだった私にそんな事させます!?』
「知らねえよ
それ期限守れなかったら色んなとこからどやされるからな」
早く行ってこい、と
足元に転がる私の頭に書類を押し付ける阿近さん
この鬼…と内心呪いながらのそりと起き上がり、
私は重い足を引き摺る様に研究室を出た
あの実験の日…
初めて涅隊長と至近距離で対面したあの時から、
私は涅隊長にからかわれ続けている
実験の度、書類を渡しに行く度
特に何も用事が無い時にさえも
異様に距離が近かったり、
突然物陰から出てくる等驚かせたりしては、
ニヤニヤと私の反応を楽しんでいるようだ
最初は偶然だと思っていた
同じ作業を行っていれば接近する事もあるし、
(色んな見解はあるが)ユーモラスな方だからそういった時もあるだろう
他の隊士達とは普通に接していて、あれ?と疑問を抱く事も多々あったが
そもそも私は隊長を前にすると顔が真っ赤になるくらい緊張してしまうし、
また鼻血を出してしまわないようにと自分を制する事でいっぱいいっぱいだから、そこまで気が回らなかった
気のせいだろう、ただの思い違いだろう
その認識こそが誤りだったという事を知ったのは
いつものように驚かされて飛び上がる私を見た隊長が喉を鳴らして笑いながら
「面白い奴だネ」と呟いたからだった
阿近さんに
「私ってからかわれてたんですかね!?」
と確認したら
「まぁ、そうだろうな」
と濁すように言われたから間違いない
つまり隊長は、自分に対して憧れという珍奇な感情を抱いている私を観察対象として
刺激を与え、得られる反応を見て面白がっているという事だ
あの噂話を聞いてお気を悪くされなかった事にはほっとしたが、
面白がられているという事に関しては
何故だか少し、心がちくりとした
でもいいんだ、
涅隊長のお傍で仕事が出来るなら、どんな形でも
それよりもこのままでは私の心臓が爆散してしまいそうなので、一刻も早くどうにかしたい
いっそ何事にも動じない鋼の心臓へと改造をしてしまおうかと思案していると
いつの間にか隊首室の前まで辿り着いてしまっていた
先程の出来事がまたもやフラッシュバックして身悶えそうになるのを何とか堪える
これは仕事、これは修行
ただ署名をして貰うだけだから、
さっと入ってさっと出て行ってしまえば問題無い
必要以上に近付く必要性も無い、
耳元で囁くように話し掛けられる心配も無い!
よし!
気を確かに持ちながら、
私は震える拳で隊首室の扉をノックした
…ノックしたつもりだった
内側から扉が開かれた事で空を切った拳は、
その隙間から伸びてきた白い手に強く掴まれ
私の体ごと、室内へと引き摺り込まれてしまった
.
