恋のカタチの示し方
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『あ、阿近さぁぁぁん!!!助けてください!!!』
どうにかこうにか手の震えを抑えながら解剖を終えた私は、
真っ先に研究室にいた阿近さんに泣きついた
他にも研究員はいたけど、皆こちらを気にすることなく黙々と仕事をしている
阿近さんも同様、私が足元に縋り付いているにも関わらず、淡々とキーボードで打ち込み作業を行いながら口を開く
「どうせまた隊長だろ?諦めろ」
『まだ何にも話してないのに!その通りですけど!
でももう無理なんです!死んじゃう!!!』
「嬉しい癖に」
『嬉しさよりも恥ずかしさが勝つんですよ!
最早拷問…!!』
先程の出来事がフラッシュバックして身悶え、
床でのた打ち回る私を誰も構う事はしない
最初の頃はそれこそ皆してニタニタとした笑みを浮かべながらおちょくってきたけれど、
これが日常茶飯事ともなれば適当にあしらわれるようになるのも当然だろう
しかし私にとっては死活問題である事には変わりなく、こうしてまだ何とか話を聞いて?くれる阿近さんに縋る他無い状態だった
そう、
お察しの通り私は涅隊長の事を敬愛している
そしてこの事実は、
技局を含めてそこそこの人達に知れ渡っている
元々私は流魂街の町医者の娘で、
祖父は元四番隊の席官だった
霊力の強い私もいずれは四番隊に…と
家族は思っていたようだけど
当時まだ幼かった私は瀞霊廷通信に掲載されている「脳にキく薬」の大ファンだった
様々な実験のレポートはどれも再現が難しいものばかりだが実に面白く、
中でも筆者の実験に対するコメントはとても知的で、その豊かな言葉選びからいつしかその人の名前を目にする度に私の心は高鳴りを覚えるようになっていた
この人の傍で仕事が出来たならば、
どんなに幸せだろうか
これがきっかけで勉学に励みに励んだ私は
家族の心配を他所に、真央霊術院を始め関係各所へ猛烈に十二番隊への所属をアピールし続けた
その数年後、念願叶って十二番隊への入隊初日
憧れの涅隊長のお姿を目の当たりにした瞬間、
私は大量の鼻血を噴いて気絶していた
だって写真で見るより何十倍…
何億倍も素敵で魅惑的だったんだもの
気絶して救護室へ運ばれている最中、私は譫言のように何度も隊長の名前を呼んでいたらしく
次の日には私が涅隊長に憧れて入隊した事は色んな人に知れ渡っていた
話は尾ひれや背びれが付きながら瞬く間に広がり、技術開発局の局員にも初日から弄られる始末
隊士としての業務だけならまだしも、私は薬学の技術を買われて技術開発局への配属も決まっていた為、正に穴があったら入りたい状態だった
この調子だときっと、隊長ご本人の耳にもこの話は届いていることだろう…
隊長のお気に障って虚の餌にされる事だけは回避したい!と涙を飲んで極力涅隊長との接触を避けつつ、時々そのお姿を影から目に焼き付ける日々を過ごしていた
そんなある日、
とある実験のメンバーに抜擢された
何でも最も危険な薬物を扱う為に資格者が必要だったらしく、
丁度その時資格持ちで手が空いていたのが私だった、という理由らしい
阿近さんが口頭で触りだけ説明していたから、てっきり阿近さんがこの実験の責任者なんだと、
碌に話を聞かずに関係書類にだけ目を通していたのだけど
まさかこの実験の本当の責任者が涅隊長で、
後々あんな事になるなんて
この時の私は全く、夢にも思わなかった
.
