貴方に溺れて
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何度も何度も、
角度を変えながら甘い口付けを交わす。
互いの温もりと、いつもの煙草の匂いに生クリームの香りが混ざり、頭がくらくらして足にも力が入らなくなってきた頃、
ちうと小さく音を立てながら名残惜し気に唇が離れた。
吐息が聞こえる距離。
阿近さんは私を見つめながら優しく笑う。
「お前は本当に可愛いな、名無し」
『…こんなにも間抜けなのに?』
「んな事ねぇよ…
一生懸命で真っ直ぐで、俺を想ってくれる名無しの事が堪らなく愛しい」
そう囁く阿近さんから再び額に口付けを落とされて、
私は幸せで今にも爆発してしまいそうだった。
…一目惚れしたというだけで押し掛けてきた私と付き合ってくれるなんて、
本当に夢のようで最初の頃は何度も頬を抓っていた。
私が一方的に好意を伝えている状態を鬱陶しいと思われても仕方無い、
いつかは愛想を尽かされるかもしれないって心の何処かで無意識に逃げ道を作っていたのに。
そんな心配は要らないと言わんばかりに、
私を丸ごと愛してくれた。
真剣な、でも仕事では絶対に見せないような
慈しみの眼差しを向ける貴方に
私は更に恋をする。
もう、何があっても離れない。
…なんてメロメロになっていると、
いつの間にかケーキの箱から解かれた赤いリボンが、私の首に巻かれて蝶々結びにされていた。
何故!?と状況が掴めず困惑する私を、不意にお姫様抱っこする阿近さん。
恐る恐る目線を上げれば、先程までの甘い雰囲気は何処へやら。
背筋が凍る程の妖しい笑みを浮かべている。
『あ、阿近さん…?』
「さて、誕生日だし…俺も仕事切り上げてプレゼントを堪能するか」
『プレゼントなら、ケーキが…』
「ああ、お前を美味しくいただいた後にな」
嫌な予感がして机の上に置かれたケーキを指差すも、笑顔で却下されてしまう。
誕生日だから、気持ちが舞い上がってしまうのは仕方が無い…
仕方無いけど…
…もしかしたら、
阿近さんは私が思っている以上に変態なのかもしれない…。
抵抗虚しく連れ去られる私は、
どうか阿近さんの愛で窒息死しませんようにと心の中で祈る事しか出来なかった。
end
