散る花びらを手のひらに
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貴方の事が好きになってしまったの。
私のこの気持ちは、
抱いてはいけないものなのかしら。
緊張と不安で
胸が張り裂けて死んでしまいそうなくらい切なかった私の言葉に、
マユリは化粧の上からでも分かるくらい赤面していた。
私も、同じ気持ちだ と
ぎこちない動きで抱き締めてくれた時の温もりを、
激しい心臓の音を
今でも覚えている。
…
『何だかお腹が空いてきちゃった…
おにぎりでも持ってきていたらお花見しながら食べれたのに』
「何、気を落とすことはないヨ」
ゆったりとマユリの胸に身を委ねながら桜を堪能していると、私のお腹が切なげに鳴いた。
もう少しこうしていたかったな
なんてがっかりしながら立ち上がろうとするけど、
マユリの腕はがっちりと私を捕らえて離さない。
「この湖は近くの老舗旅館が管理しているものでネ、
実はその旅館の一部屋を前もって予約しておいたから
今すぐ帰る必要はないのだヨ」
『えっ!本当に!?』
「アァ、部屋からも桜が見えるようだから、
酒とつまむものも頼むとしよう」
思わぬサプライズに私は先程とは打って変わってワクワクしながら立ち上がろうとする。
けどやはりマユリは腕の力を緩めないまま、またお姫様だっこで私を運ぼうとするので
これには慌ててしまった。
流石にこれで旅館まで入るのは恥ずかし過ぎる…。
『ちょっと、自分で歩けるから!
マユリも疲れたでしょう?』
「私が?舐めてもらっちゃ困るヨ
見守っている事しか出来ず、
こうして触れ合えなかった分
名無しを甘やかしたくて堪らないのだから、
疲れなど微塵も感じ無いヨ
…部屋に着いたら、覚悟をしておき給え」
妖しく口角を上げるマユリに、私の背中は粟立つ。
一体どれ程の寵愛を受ける事になるのか、
恐ろしくもどこか期待をしてしまって…。
きっと、それすらも見通されているのだろう。
金色の瞳のような満月が、
私達が歩む桜色の絨毯を煌々と照らしていた。
end
