春和景明
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
麗らかな春の日
まさにお出かけ日和となった良い休日に、
私は死ぬほど緊張していた
何故なら今から上司兼恋人である涅隊長と、
逢瀬の約束をしているからである
ひと月前、現世の風習であるバレンタインデーをきっかけに
私は隊長にお菓子を渡しながら長年秘めてきた想いの丈を、殺される可能性を覚悟した上で伝え、晴れて恋仲となることが出来た
まさか受け入れてくれるとは思わず、
それから毎日幸せな気持ちで隊長の姿を見つめながら業務に励んでいたのだが
如何せん忙しすぎる部署なのと、周囲には隊長との関係を秘密にしていたので、中々恋人らしい事も出来ないままだった
挨拶が交わせれば良い方
話す事も仕事の事ばかり
悶々とした不満を抱えたままひと月が経とうとしていた頃、夜中に自室で寛いでいると地獄蝶が飛んできた
この毒々しい模様は確か涅隊長専用の…
― 夜分に失礼するヨ、名無し ―
『は、はい!如何なさいましたか?』
普段業務中は絶対聴くことは出来ない、涅隊長の静かで落ち着いた声色に心臓が跳ね飛ぶ
そのまま口から飛び出してこないようにこっそりと深呼吸をしながら要件を伺う
わざわざ地獄蝶を飛ばしてくるなんてどうされたのだろう…
― …次の非番の日に隊舎の裏門前で待ってい給え、
食事へ行こう ―
『…え!?』
― 都合が悪いかネ? ―
『い、いえ!何も予定はありません!』
― …そうかネ、では正午前には迎えに行くヨ ―
次の非番!?いつ!?
三日後じゃないの…!!!たたた隊長と食事…?!?
突然のお誘いに慌てふためく私をよそに、
隊長の地獄蝶はひらりひらりと窓の外へと飛んで行ってしまった
これって逢瀬!?現世で言うデートでは!?
着ていく着物!髪も綺麗にしないと…!
と驚きと嬉しさが入り乱れて変な興奮状態になってしまった私は、
当日に至るまで上手く眠ることが出来ず、薄っすらと出来てしまった隈を化粧で何とか誤魔化したのだった
隊長との初めての逢瀬で、粗相をしてしまわないかと色んなことで不安になりながら、
ふと下を向くと着物に刺繍された桃の花が目に入る
急なお誘いには困ってしまったが、最近忙しくて袖を通すことの無かったお気に入りの着物を着る事が出来たし、今朝一番に髪結い処で綺麗に髪をまとめてもらって、とても気分が良かった
何より綺麗になった自分を好きな人に見てもらえると思うだけで頬が緩む
そういえば隊長はどんなお召し物で来られるのだろう?
いつもの格好では目立ってしまうし…と少し考え込んでいれば、
頭上から影が落ちた
顔を上げれば、
日傘を差した着物姿の青髪の男性が傍に立っていた
.
