Brand New Days


落ちかけた夕陽を背にして、ミラージュとオクタンは幌のあがったコンバーチブルに乗り込んだ。
助手席のオクタンが、少し照れくさそうに肩をすぼめる。
「向かい側もいいけど、やっぱここの方が落ち着くな」
ミラージュは左腕を伸ばしてオクタンの肩を抱き寄せると、エンジンをかけるのも忘れて、唇を重ねた。
オクタンが首を傾けてそれに応える。
燃え落ちるソラスの太陽の輪郭を、ねぐらに帰る飛竜たちの群れが横切っていった。
二人の乗った車が走り出すまでには、もうしばらく時間がかかるだろう。


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