パーティーはまだ始まらない


こんなもんか。
それが、APEXゲームの初戦を終えた俺が感じた率直な感想だった。
アジャイは「甘く見てると痛い目に遭うわよ」なんて言っていたが、何て事はねぇ。
どいつもこいつもウスノロだ。
誰も俺には追い付けねぇ。あっけないほど簡単にキルが取れる。
チャンピオンにこそなれなかったが、自分の部隊が何位だったかなんて忘れちまうほど、俺は自らの戦いぶりに興奮し、満足していた。
ガントレットで鍛えた腕は、まだ鈍っちゃいなかったようだ。
グレネードで脚を吹っ飛ばしたせいで、あそこには出入り禁止をくらったが、そんな事はもうどうでもいい。
義足の嵌まり具合も上々、俺にしちゃ我慢強くリハビリに耐えたかいがあったぜ。
すべてはこの為にあったんだ。
新しく手に入れた遊び場で、俺は自由気ままに暴れ回った。

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