たからもの
「クッソ……おれの……あしが…」
バンカーの入り口で、ボロくずのように横たわったオクタンは、震える手を伸ばして義足を探した。
ローバに誘われて、異世界の宝探しに参加したのは一週間ほど前のこと。
しかし、オクタンに課せられた使命は、宝探しではなく、スパイとしてローバとハモンドロボティクスの繋がりを探る事だった。
話が違う、と不満が募っていた矢先に、ワットソンが負傷し、拠点になっているミラージュのバーにレヴナントが現れて傍若無人に振る舞った。
それに腹が立ったというよりは、刺激されたという方が近いのかもしれない。ライフラインに煽られたせいもある。
オクタンは、バンガロールに止められたにも関わらず、ライフラインに書き置きを残してポータルを抜け、異世界で単身アーティファクトを探していた。
その最中に、プラウラーの群れに襲われてこのザマだ。
大腿部で途切れた両足からはどくどくと血が流れ、周りにはひしゃげた義足の残骸が散らばっている。
プラウラーの強靭な顎に振り回された時に、接合部ごと引きちぎられてしまったらしい。
足だけでなく、体のあちこちから血が吹き出していた。
大量の血を失って朦朧となりながらも、オクタンは必死で腕を伸ばした。
「おれの……あし」
指先が冷たい金属に触れると同時に、オクタンは意識を失った。
バンカーの入り口で、ボロくずのように横たわったオクタンは、震える手を伸ばして義足を探した。
ローバに誘われて、異世界の宝探しに参加したのは一週間ほど前のこと。
しかし、オクタンに課せられた使命は、宝探しではなく、スパイとしてローバとハモンドロボティクスの繋がりを探る事だった。
話が違う、と不満が募っていた矢先に、ワットソンが負傷し、拠点になっているミラージュのバーにレヴナントが現れて傍若無人に振る舞った。
それに腹が立ったというよりは、刺激されたという方が近いのかもしれない。ライフラインに煽られたせいもある。
オクタンは、バンガロールに止められたにも関わらず、ライフラインに書き置きを残してポータルを抜け、異世界で単身アーティファクトを探していた。
その最中に、プラウラーの群れに襲われてこのザマだ。
大腿部で途切れた両足からはどくどくと血が流れ、周りにはひしゃげた義足の残骸が散らばっている。
プラウラーの強靭な顎に振り回された時に、接合部ごと引きちぎられてしまったらしい。
足だけでなく、体のあちこちから血が吹き出していた。
大量の血を失って朦朧となりながらも、オクタンは必死で腕を伸ばした。
「おれの……あし」
指先が冷たい金属に触れると同時に、オクタンは意識を失った。
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