第5話
name change
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「さて、そろそろ始めよう」
ジョンがため息とともに言った。
「いいかい?」
私は大きく息を吐いて、それからしっかりと頷いた。
ジョンが腕時計に触れた。
ゆっくりと指をずらして文字盤を操作している。
淡い光が私のまわりに散る。
「ご迷惑をおかけしました。ジョンさん。スミスさん」
私は深く頭を下げた。
スミスは私に向かって片手を上げた。
ジョンはじっと私を見つめていた。
彼らの瞳は、凪いだ水面のように穏やかだった。
やがて腕時計の文字盤をトンと押したあと、ジョンは優しい笑みを浮かべた。
「目を閉じて」
ジョンの声に、私は目を閉じた。
「さようなら、綾。君の幸せを祈るよ」
最後に聞こえたのはジョンの声か。
それともスミスだっただろうか。
やがて全ての音が消えた。
身体が沈んでいくような感覚、
それから浮遊感。
水の中にもぐったり空に浮かんでいく感覚とも似ていると思うと、次には身体全体がどこかへ引っ張られていくようにも感じた。
上も下も分からなくなって、全てが渦を巻いて混じり合い───
やがて意識もフェードアウトした。
ジョンがため息とともに言った。
「いいかい?」
私は大きく息を吐いて、それからしっかりと頷いた。
ジョンが腕時計に触れた。
ゆっくりと指をずらして文字盤を操作している。
淡い光が私のまわりに散る。
「ご迷惑をおかけしました。ジョンさん。スミスさん」
私は深く頭を下げた。
スミスは私に向かって片手を上げた。
ジョンはじっと私を見つめていた。
彼らの瞳は、凪いだ水面のように穏やかだった。
やがて腕時計の文字盤をトンと押したあと、ジョンは優しい笑みを浮かべた。
「目を閉じて」
ジョンの声に、私は目を閉じた。
「さようなら、綾。君の幸せを祈るよ」
最後に聞こえたのはジョンの声か。
それともスミスだっただろうか。
やがて全ての音が消えた。
身体が沈んでいくような感覚、
それから浮遊感。
水の中にもぐったり空に浮かんでいく感覚とも似ていると思うと、次には身体全体がどこかへ引っ張られていくようにも感じた。
上も下も分からなくなって、全てが渦を巻いて混じり合い───
やがて意識もフェードアウトした。
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