第5話
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
何も考えないように、早足でもと来た道を引き返す。
考えまいとすればする程、ルパンの背中が脳裏にチラついた。
居ても立っても居られず追いかけていってしまいそうで、慌てて頭から追い出そうと首を振った。
「綾」
腕を掴まれて我にかえった。
振り向くとジョンが心配そうにこちらを見ていた。
「無事で良かった」
ジョンはそれだけ言うと黙り込んだ。
ルパンがいない事について、彼は何も聞いてこなかった。
聞かれたところで、私には知りようもない。
この世界の存在ではないルパンは行き場がないのではと心配になったけれど、どうすることもできなかった。
スミスも時折気遣わしげな眼差しを向けてきたが、彼も黙っていた。
2人が私を気遣ってくれているのが分かって、申し訳ない気持ちになる。
「私が自分の世界に帰れば、ルパンももとの世界に戻れますか?」
「そうだな」
ジョンが頷いた。
「君が戻れば、この世界はゆっくりと修復されるだろう。ルパンも戻れるはずだ」
「そうですか」
良かった。
少なくとも彼を心配する必要はなくなったのだ。
残ったのは寂しいという気持ちだけ。
「こんな事になってすまない」
スミスが言った。
私は首を振った。
彼らが謝ることではない。
「私のせいで、こんなことになったんだし……」
「綾……」
ジョンが何かを言いかけて、やめる。
スミスは何も言わなかったけれど、私を見つめる視線から心配しているのがわかった。
「記憶を消してもいい。辛いなら」
意を決したようにジョンが言った。
それは、私の気持ちを汲んで、本来使うべきではないものを使おうと言っているのだと感じた。
「この世界での出来事を全て忘れるようにしても良い。どうする?」
「それは……嫌です」
私は迷わず首を振った。
ルパンが私の記憶から消えるなんて、考えられない。
辛い記憶も全部含めて、ルパンとの思い出だ。
忘れたくない。
ジョンはじっと私を見つめると、頷いた。
「分かった」
考えまいとすればする程、ルパンの背中が脳裏にチラついた。
居ても立っても居られず追いかけていってしまいそうで、慌てて頭から追い出そうと首を振った。
「綾」
腕を掴まれて我にかえった。
振り向くとジョンが心配そうにこちらを見ていた。
「無事で良かった」
ジョンはそれだけ言うと黙り込んだ。
ルパンがいない事について、彼は何も聞いてこなかった。
聞かれたところで、私には知りようもない。
この世界の存在ではないルパンは行き場がないのではと心配になったけれど、どうすることもできなかった。
スミスも時折気遣わしげな眼差しを向けてきたが、彼も黙っていた。
2人が私を気遣ってくれているのが分かって、申し訳ない気持ちになる。
「私が自分の世界に帰れば、ルパンももとの世界に戻れますか?」
「そうだな」
ジョンが頷いた。
「君が戻れば、この世界はゆっくりと修復されるだろう。ルパンも戻れるはずだ」
「そうですか」
良かった。
少なくとも彼を心配する必要はなくなったのだ。
残ったのは寂しいという気持ちだけ。
「こんな事になってすまない」
スミスが言った。
私は首を振った。
彼らが謝ることではない。
「私のせいで、こんなことになったんだし……」
「綾……」
ジョンが何かを言いかけて、やめる。
スミスは何も言わなかったけれど、私を見つめる視線から心配しているのがわかった。
「記憶を消してもいい。辛いなら」
意を決したようにジョンが言った。
それは、私の気持ちを汲んで、本来使うべきではないものを使おうと言っているのだと感じた。
「この世界での出来事を全て忘れるようにしても良い。どうする?」
「それは……嫌です」
私は迷わず首を振った。
ルパンが私の記憶から消えるなんて、考えられない。
辛い記憶も全部含めて、ルパンとの思い出だ。
忘れたくない。
ジョンはじっと私を見つめると、頷いた。
「分かった」