shot.17 開幕!PWT!
「次こそは、オレ様がTOP BATTERだからなッ!?」
「その意気や良しね!アナタはそうして突き抜けているのが一番よ!」
「おう!オレ様に任せとけ!」
ブレイヴは親指を立てる。やはりサイルーンの掌握術はお手のもの。一同は笑いながら控え室に戻った。
二回戦がすでに始まっており、備え付けのモニターにはメイランの姿が映っていた。対戦相手は彼女と同い年ぐらいのミナミというトレーナーだ。
「ロン!ハードローラー!」
試合前にすれ違った赤髪の青年――ロンはメイランの指示で技を出す。素早い身のこなしで相手の間合いに入り込み、怯ませる。相手がよろめいて体勢を崩したところを“突進”を使って追い打ちをかけ、体を吹っ飛ばす。
「スオウ!歯ァ食いしばれ!」
「御意……。」
メガホンを片手にミナミが声を荒げる。彼女の声援にオーダイルのスオウは立ちあがろうと上体を起こす。しかし、耐えきれず、地面に伏した。
冷静に場を見つめて指示を出すメイラン。それを受けて繰り出される迷いのないロンの一打に、アンヌは圧倒されるばかりだった。
(私もあんな風に指示が出せるようになれるかしら。)
仲間の気持ちを汲み取りポケモンの個性を活かす。お互いを信じ合う、そんな戦い方ができたらいいなと彼女は思う。
ブレイヴ、ジェト、サイルーンを見つめた後、頭の片隅でグルートのことを思い浮かべる。
歓声と共にモニターにはメイランの勝利が映し出されていた。
◇◆◇◆◇
「ジョウトにお越しの際はどんどん盛りにきてや〜〜!!!」
ミナミはカメラに向かってポップを見せつけ、店の宣伝をしていた。そこに敗北した者の辛気臭さはなく、むしろ勝ったメイランよりも堂々としていた。審判に止められても必死に声を出す商魂の逞しさは目を見張るものがある。
ミナミがスタッフに引き連れられていったタイミングで、メイランが控え室に姿を見せた。「あーっ疲れた!」と伸びをしながら、アンヌを見つけ嬉しそうに手を振る。その隣にいるロンは相変わらずクールだ。
「お疲れ様、メイラン。ロンも。素晴らしい戦いだったわ。」
「気軽に名前を呼ぶな。俺は馴れ合いをするつもりはない。」
「こーらっ!そう言う態度、メッ、だヨ!」
ツンとしたロンの態度も微笑ましく見えて、アンヌはくすりと笑う。
「これで次はアタシ達の番だネ!」
「ええ。お互いベストを尽くしましょう。」
「うんッ!負けないヨッ!」
アンヌとメイランが対するのは準決勝。それまでにあと二試合あり、メイラン達は再びトレーニングルームに篭って技の最終調整をするようだ。一方、バトルの経験が乏しいアンヌは他のトレーナの戦い方を参考にするために観戦をして立ち回りを研究することにしていた。
対戦表を見ると、三回戦にはタスクの名前があった。そういえば彼とバッド達の姿を試合が始まってから一度も見ていないことにアンヌは気がつく。彼らもギリギリまで調整しているのだろうか。
「アンヌちゃん。はい、これ。」
併設されているドリンクバーからミックスオレが入ったコップをサイルーンがアンヌに手渡す。それを受け取り、口つけた彼女はほっと一息ついた。
「研究熱心なのはあなたのいいところだけれど、休憩するのも大事よ。」
「ありがとう。」
「おい!こっちで見た方が迫力あンじゃねェか!?」
控え室の隣に展望デッキがあったようで、ブレイヴが興奮した様子で手招きしていた。観客の声援を肌で感じながら、タスクがフィールドに上がるのをアンヌは見ていた。
「その意気や良しね!アナタはそうして突き抜けているのが一番よ!」
「おう!オレ様に任せとけ!」
ブレイヴは親指を立てる。やはりサイルーンの掌握術はお手のもの。一同は笑いながら控え室に戻った。
二回戦がすでに始まっており、備え付けのモニターにはメイランの姿が映っていた。対戦相手は彼女と同い年ぐらいのミナミというトレーナーだ。
「ロン!ハードローラー!」
試合前にすれ違った赤髪の青年――ロンはメイランの指示で技を出す。素早い身のこなしで相手の間合いに入り込み、怯ませる。相手がよろめいて体勢を崩したところを“突進”を使って追い打ちをかけ、体を吹っ飛ばす。
「スオウ!歯ァ食いしばれ!」
「御意……。」
メガホンを片手にミナミが声を荒げる。彼女の声援にオーダイルのスオウは立ちあがろうと上体を起こす。しかし、耐えきれず、地面に伏した。
冷静に場を見つめて指示を出すメイラン。それを受けて繰り出される迷いのないロンの一打に、アンヌは圧倒されるばかりだった。
(私もあんな風に指示が出せるようになれるかしら。)
仲間の気持ちを汲み取りポケモンの個性を活かす。お互いを信じ合う、そんな戦い方ができたらいいなと彼女は思う。
ブレイヴ、ジェト、サイルーンを見つめた後、頭の片隅でグルートのことを思い浮かべる。
歓声と共にモニターにはメイランの勝利が映し出されていた。
「ジョウトにお越しの際はどんどん盛りにきてや〜〜!!!」
ミナミはカメラに向かってポップを見せつけ、店の宣伝をしていた。そこに敗北した者の辛気臭さはなく、むしろ勝ったメイランよりも堂々としていた。審判に止められても必死に声を出す商魂の逞しさは目を見張るものがある。
ミナミがスタッフに引き連れられていったタイミングで、メイランが控え室に姿を見せた。「あーっ疲れた!」と伸びをしながら、アンヌを見つけ嬉しそうに手を振る。その隣にいるロンは相変わらずクールだ。
「お疲れ様、メイラン。ロンも。素晴らしい戦いだったわ。」
「気軽に名前を呼ぶな。俺は馴れ合いをするつもりはない。」
「こーらっ!そう言う態度、メッ、だヨ!」
ツンとしたロンの態度も微笑ましく見えて、アンヌはくすりと笑う。
「これで次はアタシ達の番だネ!」
「ええ。お互いベストを尽くしましょう。」
「うんッ!負けないヨッ!」
アンヌとメイランが対するのは準決勝。それまでにあと二試合あり、メイラン達は再びトレーニングルームに篭って技の最終調整をするようだ。一方、バトルの経験が乏しいアンヌは他のトレーナの戦い方を参考にするために観戦をして立ち回りを研究することにしていた。
対戦表を見ると、三回戦にはタスクの名前があった。そういえば彼とバッド達の姿を試合が始まってから一度も見ていないことにアンヌは気がつく。彼らもギリギリまで調整しているのだろうか。
「アンヌちゃん。はい、これ。」
併設されているドリンクバーからミックスオレが入ったコップをサイルーンがアンヌに手渡す。それを受け取り、口つけた彼女はほっと一息ついた。
「研究熱心なのはあなたのいいところだけれど、休憩するのも大事よ。」
「ありがとう。」
「おい!こっちで見た方が迫力あンじゃねェか!?」
控え室の隣に展望デッキがあったようで、ブレイヴが興奮した様子で手招きしていた。観客の声援を肌で感じながら、タスクがフィールドに上がるのをアンヌは見ていた。