『聖女』降臨〜数奇な運命〜
そもそもの始まりは、村長の初孫が生まれた事だった。初孫は、いわゆる『人工呼吸器』が無いと生きられない身体で生まれた。可愛い孫を、我が子をどうにか生かさんと奔走する村長一家に、とある貴族が手を差し伸べた。古代の遺失技術 が一つたる『地熱発電所』を管理する貴族は、電動の人工呼吸器を一家に渡した。人工呼吸器を動作させる電力も供給すると言ってくれた。一家は泣いて喜んで、その申し出を受け入れた。
それが地獄の始まりであったとも知らずに。
「その貴族とやらが、皆さんが言う『吸血鬼 』だったんですね?」
そう。吸血鬼である正体を明かした貴族は豹変した。「村の若く美しい娘を差し出せ」「さもなくば、電力の供給を切ってしまうぞ」と、村長の孫の命を人質に取り、人身御供を要求してきたのである。
「道理で女の子が少ない訳です」
尤も、村の司祭は脅迫に黙って従うつもりは全く無かった。吸血鬼に怯える村人達に、自分が吸血鬼を退治してこようと勇気付け、聖水と銀の十字架を手に貴族の城へと赴いた。
しかし、戻ってきたのは血を吸い尽くされた司祭の亡骸であった。更に貴族は村に残っていた老いた修道女まで村人達の目の前で吸血して殺め、地べたに投げ出した2人の亡骸を前に司祭の勇気を嘲笑った。震え上がる村人達に、恐ろしい顔で貴族は言ったのである。「次は無い」と。
いくら村の為と言えども、幼い孫の文字通りの命綱を絶ってしまう事などできない。仮に命綱を絶った所で、吸血鬼が村を襲わない保証など何処にも無い。
恐怖で雁字搦めになった村人達は、貴族に要求されるがままに、村の少女達を泣く泣く差し出してきたのだ。
それが地獄の始まりであったとも知らずに。
「その貴族とやらが、皆さんが言う『
そう。吸血鬼である正体を明かした貴族は豹変した。「村の若く美しい娘を差し出せ」「さもなくば、電力の供給を切ってしまうぞ」と、村長の孫の命を人質に取り、人身御供を要求してきたのである。
「道理で女の子が少ない訳です」
尤も、村の司祭は脅迫に黙って従うつもりは全く無かった。吸血鬼に怯える村人達に、自分が吸血鬼を退治してこようと勇気付け、聖水と銀の十字架を手に貴族の城へと赴いた。
しかし、戻ってきたのは血を吸い尽くされた司祭の亡骸であった。更に貴族は村に残っていた老いた修道女まで村人達の目の前で吸血して殺め、地べたに投げ出した2人の亡骸を前に司祭の勇気を嘲笑った。震え上がる村人達に、恐ろしい顔で貴族は言ったのである。「次は無い」と。
いくら村の為と言えども、幼い孫の文字通りの命綱を絶ってしまう事などできない。仮に命綱を絶った所で、吸血鬼が村を襲わない保証など何処にも無い。
恐怖で雁字搦めになった村人達は、貴族に要求されるがままに、村の少女達を泣く泣く差し出してきたのだ。