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廊下にて
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〜〜〜〜〜〜〜♩
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ハル
あれ?
なんか聴こえる…
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にゃんこあ、これは軽音部だね
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ハル
軽音部かぁ〜
興味ある!
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にゃんこうん、行ってみよっか!
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音楽室にて
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音楽室の前まで来るとドアは空いていた。
廊下からそっと中を覗くと、ギターで弾き語りしている人がいた。 -
ハル
(わ、すごい美形…
かっこいいな…)
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歌声に耳を傾けていると、中の人物はギターからピアノに変えて歌い続けた。
その後も、ピアノからベース、ベースから木琴、木琴からドラムへと、楽器を変えては歌い続けた。
ドラムからエレキギターに持ち替えた時、アンプに繋がっているのを見たにゃんこが「あ!!」といった。 -
ギュィィィィィィーーーーン!!!!!!!!!
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ハル
わっっっ!!!!!

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にゃんこ〜〜〜〜〜〜〜〜カルー!
ドア閉めないと、また先生に怒られちゃうよ! -
にゃんこがそう言うと、中から聴こえていた音が止まる。
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カルーあれ、にゃんこじゃん
来てたなら声かけてよ -
カルーそれと、転入生…
ハルだっけ?
僕は、甲斐琉衣(かいルイ)。
みんなカルーって呼ぶから、ハルもそう呼んでいいよ -
ハル
よ…よろしく(ふらつきながら)
名前、覚えててくれてたんだ
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カルーうん、一回会った人の顔は忘れないんだよね
それで、もしかして部活の見学しに来たとか? -
にゃんこさすがカルーだね、何でもお見通しだぁ
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カルーはは、案外そうでもないんだよね〜
そうだな…じゃあ軽く楽器でも触ってみる? -
ハル
えっ、いいの?

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カルーもちろん、そのための時間でしょ?
おいで -
カルーが被せられていた布をとると、下から先程の演奏には使われなかった楽器が姿を現す。
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カルー何かやってみたい楽器はある?
一通りできるから、何でも教えてあげられるよ -
ハル
わぁ!これも全部できるの?
カルーはすごいね!(ニコッ)
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カルー!(びっくりしたように目を瞬きさせる)
へぇ…ハルって笑った顔、そんな可愛いんだ? -
ハル
えっっ?!

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カルーははっ、じゃあ手始めにギターでも弾いてみるか
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カルーに促されるまま、ギターを持ってぎこちない手でコードを抑える。
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カルーあっ、待って
そこちょっと違う。
この指は…こっち。
(後ろからハルの手に被せるように指を直す) -
ハル
っ!か、かるー?

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カルーん?
(指を抑えたまま、ハルの耳元で返す) -
ハル
(近い!!)

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カルーハル?
(ハルの髪とカルーの髪が軽く触れる) -
ハル
〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

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にゃんこはい、ストップ!!
(2人を引き剥がす)
カルー!ハルが困ってる! -
ハル
にゃんこ!!!

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カルーえっ、ほんと?
ごめん、指痛かった? -
ハル
……いや、そうじゃないけど…
(まさか、無自覚……?)
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にゃんこなんか…ごめんね…
悪気はないんだけど、誰にでもこうなの…(ハルに耳打ちする) -
ハル
(そ、そうなんだ…)

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カルーそっか、ならいいんだけど
ギターって簡単に弾けるけど、慣れるまで指痛いんだよね -
カルー次は違う楽器触ってみる?
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ハル
うっっ
(またさっきみたいな感じになるのかな...)
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にゃんこあ、あぁ〜…
ごめんね、カルー!私たちもう次に行かなくちゃ!
(思い出したように手を合わせる) -
カルーそうなの?
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ハル
あ、そうなんだよね〜…
ありがとう、カルー!
楽しかった
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カルーそっか
わかった、僕はいつもここにいるからいつでも聴きにおいで -
ハル
あ、うん…!

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にゃんこあ!ドアはちゃんと閉めてね!
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カルーあ〜ワカッタワカッタ〜
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ハル
(分かってなさそう…)

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