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廊下にて
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ボンッッッッ
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?
きゃっっ
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ハル
わっ!なに?爆発?

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にゃんこ科学室の方だよ!
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ハル
行ってみよう!

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科学室にて
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科学室に向かうと、中でへたり込んでいる少女がいた
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にゃんこリン!大丈夫?
(手を貸す) -
リン(コクッ)
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にゃんこ怪我してない?
舞来先生がいない時は、爆発系の実験はやらない約束じゃなかった? -
リン(コクッコクッ)
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リン(しょぼーん)
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にゃんこがカーテンと窓を開け、部屋の中に光が入ると、墨のように真っ黒な髪と透き通った黄色い瞳が姿を現す。
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ハル
(綺麗…)

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リン?
(にゃんこのセーターを引っ張ってハルの方を見る) -
にゃんこもう忘れちゃったの?
今日転入してきたハルだよ -
リン(少し悩んだ後、手をぽんと合わせ思い出すような仕草)
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リン(白衣をポンポンと払い、ハルに近寄る)
…夜乃輪廻(やのリンネ)。
リンでいいよ、ハル。 -
ハル
(なんだろう…この感じ…
引き込まれそう…)
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今まで黙っていたリンが、言葉を発したということに気が付かないほど、ハルはリンの出す異質な雰囲気にのまれていた。
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にゃんこハル。
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ハル
ぇ………?

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にゃんこハル、しっかりして
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リン(困ったように微笑む)
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ハル
あれ…ごめん、なんかぼーっとしちゃって…

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ハル
(さっきのなんだったんだろう…)

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にゃんこそうだ、科学部の紹介をしてもらってもいい?
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リン(コクッと頷いたあと、本棚から数冊取り出してくる)
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リン(バラバラ…)
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ハル
オカルト雑誌?

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にゃんこリンは実験の他に、超常現象の研究?をしてるの
実際に山でUFO呼んだりしてたよね? -
リン(コクッコクッ)
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ハル
えっ、UFOって本当にいるの?

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にゃんこう〜ん、リンはそれを否定する活動をしてるの
「来ない」=「いない」っていうのを証明したいんだって -
ハル
へ〜
なんだかちょっと難しそう…
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リン(ニコッと微笑む)
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ハル
そういえば、さっきは何の実験をしていたの?

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リン(先程の爆発物を持ってくる)
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ハル
これって…カルメ焼き…?

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リン(コクッ)
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ハル
懐かしい〜
(カルメ焼きって爆発するんだ…)
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リン?
(食べる?といった顔) -
ハル
あ、大丈夫…あはは…
(申し訳ないけど、食べ物には見えない…)
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にゃんこじゃあ、私たちはそろそろ次のところ行こうか
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ハル
あっ、うん
リン、ありがとう
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リン(コクッ)
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薄く微笑んで頷いたリンの顔から、目が離せそうになかったが、にゃんこが手を引いてくれたおかげで科学室を後にできた。
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