お礼画面
ありがとうございます!
楽しんでいただけて嬉しいです。
今回のお礼はユリウスで「変わり者」というお話です。ユリウス好き。
【変わり者】
私は、ユリウスの仕事しているところを見るのが好きだ。
普段から無愛想な彼が、ものすごい仏頂面で手元に集中している。話しかけても聞こえていないくらい集中しているらしい。
いかにも「仕事用です! 見た目なんてしりません」っていう感じの黒縁眼鏡が、恐ろしいくらいに似合うのだ。
そしてそれはとてもかっこいいと思う。
そう、私はユリウスの仕事をしている姿も好きだけど、ユリウスのこともものすごく好きなのだ。
というわけで、私は今もユリウスの仕事を見学しているのだった。
じぃっと彼の手元を見ていたら、不意にその手が止まった。
不思議に思った瞬間、「おい」と声をかけられる。
ふと顔をあげると、ユリウスが黒縁眼鏡越しに私を見ていた。
「なに?」
「なに、じゃない。うっとうしいから見るな。離れろ」
ユリウスは眉間にしわを寄せてそう言った。
ひどい。
確かに彼の手元が良く見えるようにと、すぐ隣で見ていましたよ?
でもそんなずばっということないじゃない。
「だってよく見たいんだもん」
「変わり者だな、お前は。こんなのを見たってちっとも楽しくはないだろう」
「そんなことないよ。なんだかおもしろいくらいに直っていくから見ていて飽きない」
私の答えに、彼は呆れたような顔をした。
そしてきっぱりとこう言い切った。
「やはり変わり者だ」
そう言いながら彼はあきらめたのか、再び作業を始める。
私はそんな彼の横顔を見ながら、「変わり者はお互い様でしょ」と言ってみる。
どうせ無視されるだろうと思っていたら、彼は意識を手元に集中したまま応戦してきた。
「確かに私は変わり者かもしれないが、お前の方が上を行く変わり者だ」
「な、なんでよ?」
すると、ユリウスは手を止めた。
そして、今度はまっすぐに私を見つめる。
「こんな陰気な作業を見るために、わざわざ階段を登って、偏屈な男の元へやってくるんだからな」
あまりにまっすぐ見つめられたので、なんだか恥ずかしくなった。
私がユリウスを好きだってことが、ばれているのではないかと変に動揺してしまう。
「……ずいぶん卑屈な言い方をするのね」
「間違ったことは言っていないだろう」
きっぱりと言い切るユリウス。
「確かにそうね」
「……ふん」
「でも、私はそんなユリウスがいいと思って来てるんだからいいじゃない」
私の言葉に、ユリウスは目を見開いた。
あぁ、もうだめだ。
どうしても伝えたくなってきた。
「変わり者のユリウスが好きなんだから、そりゃあ私はその上を行く変わり者よね」
かなり驚いているらしいユリウスを見て、私は自分の行動に今さらながら慌てだす。
「え、えぇとね、つまりその……ユリウスを好きだと変人という扱いになるっていうのがちょっとどうかと思うっていうか……もう少し自分を認めてあげてもいいんじゃないかっていうか……」
しどろもどろになる私に、ユリウスは深いため息をついた。
「やはりお前は変わり者だ」
そう言って私の頭をそっとなでる。
「変わり者同士でいいかもしれないな」
ふわりと笑ったユリウスに私の目は釘づけだった。
そういう顔で笑うんだ、なんて思った瞬間、気まずそうに視線を外したユリウス。
そんな彼がものすごく可愛いと思ってしまった私は変わり者なんかじゃないと思う。
楽しんでいただけて嬉しいです。
今回のお礼はユリウスで「変わり者」というお話です。ユリウス好き。
【変わり者】
私は、ユリウスの仕事しているところを見るのが好きだ。
普段から無愛想な彼が、ものすごい仏頂面で手元に集中している。話しかけても聞こえていないくらい集中しているらしい。
いかにも「仕事用です! 見た目なんてしりません」っていう感じの黒縁眼鏡が、恐ろしいくらいに似合うのだ。
そしてそれはとてもかっこいいと思う。
そう、私はユリウスの仕事をしている姿も好きだけど、ユリウスのこともものすごく好きなのだ。
というわけで、私は今もユリウスの仕事を見学しているのだった。
じぃっと彼の手元を見ていたら、不意にその手が止まった。
不思議に思った瞬間、「おい」と声をかけられる。
ふと顔をあげると、ユリウスが黒縁眼鏡越しに私を見ていた。
「なに?」
「なに、じゃない。うっとうしいから見るな。離れろ」
ユリウスは眉間にしわを寄せてそう言った。
ひどい。
確かに彼の手元が良く見えるようにと、すぐ隣で見ていましたよ?
でもそんなずばっということないじゃない。
「だってよく見たいんだもん」
「変わり者だな、お前は。こんなのを見たってちっとも楽しくはないだろう」
「そんなことないよ。なんだかおもしろいくらいに直っていくから見ていて飽きない」
私の答えに、彼は呆れたような顔をした。
そしてきっぱりとこう言い切った。
「やはり変わり者だ」
そう言いながら彼はあきらめたのか、再び作業を始める。
私はそんな彼の横顔を見ながら、「変わり者はお互い様でしょ」と言ってみる。
どうせ無視されるだろうと思っていたら、彼は意識を手元に集中したまま応戦してきた。
「確かに私は変わり者かもしれないが、お前の方が上を行く変わり者だ」
「な、なんでよ?」
すると、ユリウスは手を止めた。
そして、今度はまっすぐに私を見つめる。
「こんな陰気な作業を見るために、わざわざ階段を登って、偏屈な男の元へやってくるんだからな」
あまりにまっすぐ見つめられたので、なんだか恥ずかしくなった。
私がユリウスを好きだってことが、ばれているのではないかと変に動揺してしまう。
「……ずいぶん卑屈な言い方をするのね」
「間違ったことは言っていないだろう」
きっぱりと言い切るユリウス。
「確かにそうね」
「……ふん」
「でも、私はそんなユリウスがいいと思って来てるんだからいいじゃない」
私の言葉に、ユリウスは目を見開いた。
あぁ、もうだめだ。
どうしても伝えたくなってきた。
「変わり者のユリウスが好きなんだから、そりゃあ私はその上を行く変わり者よね」
かなり驚いているらしいユリウスを見て、私は自分の行動に今さらながら慌てだす。
「え、えぇとね、つまりその……ユリウスを好きだと変人という扱いになるっていうのがちょっとどうかと思うっていうか……もう少し自分を認めてあげてもいいんじゃないかっていうか……」
しどろもどろになる私に、ユリウスは深いため息をついた。
「やはりお前は変わり者だ」
そう言って私の頭をそっとなでる。
「変わり者同士でいいかもしれないな」
ふわりと笑ったユリウスに私の目は釘づけだった。
そういう顔で笑うんだ、なんて思った瞬間、気まずそうに視線を外したユリウス。
そんな彼がものすごく可愛いと思ってしまった私は変わり者なんかじゃないと思う。