Lonely dance
武蔵工務店の近所には一軒の花屋があり、そこの一人娘はムサシと同い年で幼馴染みでもある。その娘の縁談が本決まりになったのはつい最近。もとはムサシの父の口利きで起こった縁談だ。
幼い頃からよく笑う女子だなとムサシは感じていたが、その思いは今年に入ってますます強くなった。まるで花が咲いたような幸せそうな笑顔を、一人娘は今までよりいっそうよく見せるようになったのだ。
交際の様子などを工務店の人々は根掘り葉掘り聞くような野暮はしない。それでも娘の方から律儀に報告しに来る、特にムサシの母のところへ。どうも隠し事のできないたちらしい。店先で立ち話や茶飲み話ということになればそれは自然と他の者にも聞こえる。車の鍵を取って得意先へ出かけようとするムサシへも。特に聞き耳を立てなくとも楽しそうな様子は分かる。何気なく顔を見ると実に嬉しそうな笑顔。
明るく華やぐような、でもどことなくはにかむ笑顔。そんな幼馴染みの様子を何度となくムサシは目にした。もうずいぶんと付き合いの長い幼馴染み。でもその表情はムサシにはとても新鮮に映る。この娘はこんな顔を持っていたのか、と。とりわけ目についたのは娘の匂い立つような恥じらいの風情だった。
ほんのりと染まる頬。
含羞。
そういえばおのれの恋人からそういうものを受け取ったことはないなとムサシはやがて気づいた。
ムサシの恋人、蛭魔妖一。
通称ヒル魔。
中学で知り合って惹かれ合い、恋人となってもう久しい。こちらももう長い付き合いだ。互いの互いに対する愛情をムサシは信じて疑わない。ただ考えてみたら恋人とはいつの間にか「そうなって」いたというだけで、恋にありがちなあれやこれをムサシは経験していないようだ。
それに、とムサシは回想する。
初めてのキスだって向こうから──ヒル魔から──してきたのだ。
ふてぶてしく。
それはどこか苦い味だった。
**********
がらりと戸を開けると、部室にはもうヒル魔しか残っていなかった。
ムサシがここに足を踏み入れたのは工事の進捗を知らせるためだ。網乃戦のあと、ヒル魔から請け負った地下武器庫の掘造。
すぐに引き上げるつもりだったが、テメーも飲むかと珍しいことをヒル魔が言う。コーヒーカップを傾けながら。
ああ……まあ、もらうか。そう答えてムサシはスツールに腰を下ろした。
カップを片手に向かい合う。だがヒル魔はPCから目を離さないしムサシも工事のこと以外は別に話すこともない。父の病状を尋ねられたのでムサシは答えた。思わしいとは決して言えない病状を。
その場しのぎの慰めなど要らないし無論ヒル魔もそんなことは口にしない。最後の一口を終えるまでぽつり、ぽつりとした会話。
「ごっそさん」
やがてカップを置いてムサシは立ち上がった。PCを叩きっぱなしのヒル魔に一瞥をくれて踵を返す。
部室の戸に手をかけようとしたら背後から声がかかった。
「糞ジジイ」
「?」
何か用かと振り向く。
ヒル魔はキーボードに片手を置いてこちらを見ていた。
「分かってんだろうな」
「何を」
「テメーは戻る」
「…………」
ムサシはヒル魔を見つめる。
ヒル魔もまたムサシを見つめる。
ゆっくりと再び口を開く金髪頭。
「うちは何も問題ねえ。テメーが戻るからな」
ぐっと喉につまるものをムサシは感じた。
──いい加減新しいキッカー育てろ
──寝ぼけんな糞ジジイ
そんな会話を交わしたのは夏のはじめだった。
あの時ムサシは笑みを浮かべることができた。テメーは戻る。一方的なヒル魔の言葉に、勝手なヤローだと呟いて。
そうすることができたのは。
何もかもがある意味他人事だったからだ。
アメフトから学校生活から、そして仲間から離れて一年余。もう戻れるはずがない。戻るなどできるわけがないのだ。そんなある種の諦念とともにムサシは全てを眺めていた。未練がなかったといえば嘘になる、でももうどうしようもないのだ。そう考えていた。
だが今は違う。
地獄の夏合宿。
秋大会初戦の勝利。
高校アメフトは本格シーズンを迎えしかもチームはチームとして機能し始めた。ここにキッカーさえいればデビルバッツは秋大会もその後も十分に戦える。死闘をくぐり抜けることができる。目指すは無論クリスマスボウル。
その一方でヒル魔はヒル魔の言葉通りムサシに代わるキッカーを育てなかった。勝つこと。なりふり構わず勝つことにこだわり抜くこの男が、勝率などまるで無視して。
どうしてだなどと聞くまでもない。
あの暑かった夏。
チームが日本を離れてからじわじわとムサシを苦しめた焦慮。
秋大会の開幕とともになお一層ムサシを苦しめる焦慮。
今すぐにでも駆けつけてキックしたい。
何もかも投げうって。
──網乃に勝ったくらいで
後輩たちに吐き捨てた台詞。
──俺は
──俺は
拳を握りしめる。力の限り。
「いい加減にしろ」
押し殺した声が出た。
「できっこねえだろが」
ヒル魔はムサシを見ている。
じっと。
ムサシも視線を外さない。
「…………」
じろじろとムサシを見つめるヒル魔。まるで何か検分するかのように。無遠慮なまなざしだ。
ガタリ。
音を立ててヒル魔がスツールから立ち上がった。ムサシの方へ歩いてくる。
片手を上げた。その手はムサシの背後の壁へ。
ムサシとヒル魔の身長はそう変わらない。視線の高さはほぼ同じだ。
近々とヒル魔はムサシの目を覗き込む。片手を壁についたまま。
──何を
何を考えてやがる。そうムサシが思った瞬間だった。
柔らかいものが唇に触れた。
何が起こったのか一瞬ムサシには分からなかった。あっと思った時にはもうヒル魔はゆっくりと身を引いていた。
「…………」
呆然とムサシは立ち尽くす。何を。この男はいま俺に何を。
「ん」
ヒル魔はちろりと舌を出しておのれの唇を舐める。たった今の行為を品定めするように。
ようやくムサシは口を動かした。
「な、に……しやがる……」
ヒル魔はにやりと笑った。悪魔のような笑み。
「呆けたみてェなツラだな。糞ジジイ」
「…………」
「もしかして初めてだったか?」
揶揄を含んだ口調。
ムサシの意識が飛んだ。
しゃにむに細身の体を捉える。抱き込めておのれの唇をヒル魔のそれに押しつけた。
脳が焼けるようだ。胸が熱い。無理やり抱きすくめてムサシは気づいた、ヒル魔の体は微かに震えている。
──こいつだって
それ以上の思考をムサシは放棄した。震えるヒル魔の体。同じほどうち震えるおのれの体。必死に押さえつけてただくちづけを繰り返す。唇を離し、また押しつける。ヒル魔は抵抗しない。何も言わない。ただ目を閉じてムサシのするがままに任せている。
抑えて。
抑えて抑えて、抑え込んでいたものが一気に噴出したような激しいくちづけ。
抱きしめて、抱きしめて。
これでもかと腕の力を振り絞りかき抱く。
夢中でキスを繰り返す。
腕の中の存在に。
どれだけそうしていたか分からない。
ヒル魔が静かにムサシのシャツを掴んだ。
ムサシは我にかえった。
「…………」
うつむきがちに体を離す。
目を上げるとそこにヒル魔のまなざし。
何も言わずただムサシを見つめるそのまなざし。
さきほどまでとは違う目だ。
静かだがあるかぎろいを秘めた瞳。
ムサシは視線を外した。
のろのろと口を開いた。
「期待させるようなことは言わねえぞ」
返事があるとは思っていない。ヒル魔もまた口を閉ざしたままだ。
ムサシはヒル魔から離れた。
引き戸を開けて外に出た。
──煙草
煙草が欲しいと思った。痛切に。
ひしひしと胸を焦がす思い。
夕闇の中を歩き出す。たった今の行為を、ヒル魔の体のぬくもりを思い出しながら。
今は何も考えられない。考えたくもない。
おのれの思考を閉ざそうと努めてもなお押し寄せる苦い思い。
八方塞がりだ。だがなるようにしかならない。
ふとそう考えた。
そうだ、なるようにしかならないのだ。
明日も明後日も。
鉛を飲んだような気持ちで学内を離れた。
どんな思いだろうが飲み込まなければならない。
戦いに挑むチーム。心を蝕む焦り。
何もかも飲み込まなければ。
歩かなければならないのだ。
月のない暗い夜をムサシの車は走った。
**********
あのあと父や皆に助けられてチームに復帰することができた。いまのムサシはそれを心の底から良かったと思う。もしも戻れなかったら一体どうなっていたのか、そう想像すると今更ながら暗澹たる思いが押し寄せる。だがムサシは現実的なタイプの人間だ。そんなことは起こらなかった。そして現在の自分はかけがえのない恋人とともにある。そのことを心から喜ばしく感じる。
居間のテレビからは夕暮れ時のニュース。もうまもなく恋人は帰宅するだろう。そうしたらふたりで一緒の夕食だ。食卓を囲んで一日のことを語り合う時間。
仕事のこと、アメフトのこと。
何よりもふたりの愛する時間が今日もこれから始まるのだ。
──ガチャ
──バタン!
玄関から騒々しい音がした。鍵の開く音、威勢のいいドアの音。
ソファにいるムサシに苦笑のような笑みが浮かぶ。全く、いつものこととは言え今日もこいつは賑やかだ。
懐かしい声が盛大に響いた。
今日も、当たり前のように。
「おう、帰ったぞ糞ジジイ!」
幼い頃からよく笑う女子だなとムサシは感じていたが、その思いは今年に入ってますます強くなった。まるで花が咲いたような幸せそうな笑顔を、一人娘は今までよりいっそうよく見せるようになったのだ。
交際の様子などを工務店の人々は根掘り葉掘り聞くような野暮はしない。それでも娘の方から律儀に報告しに来る、特にムサシの母のところへ。どうも隠し事のできないたちらしい。店先で立ち話や茶飲み話ということになればそれは自然と他の者にも聞こえる。車の鍵を取って得意先へ出かけようとするムサシへも。特に聞き耳を立てなくとも楽しそうな様子は分かる。何気なく顔を見ると実に嬉しそうな笑顔。
明るく華やぐような、でもどことなくはにかむ笑顔。そんな幼馴染みの様子を何度となくムサシは目にした。もうずいぶんと付き合いの長い幼馴染み。でもその表情はムサシにはとても新鮮に映る。この娘はこんな顔を持っていたのか、と。とりわけ目についたのは娘の匂い立つような恥じらいの風情だった。
ほんのりと染まる頬。
含羞。
そういえばおのれの恋人からそういうものを受け取ったことはないなとムサシはやがて気づいた。
ムサシの恋人、蛭魔妖一。
通称ヒル魔。
中学で知り合って惹かれ合い、恋人となってもう久しい。こちらももう長い付き合いだ。互いの互いに対する愛情をムサシは信じて疑わない。ただ考えてみたら恋人とはいつの間にか「そうなって」いたというだけで、恋にありがちなあれやこれをムサシは経験していないようだ。
それに、とムサシは回想する。
初めてのキスだって向こうから──ヒル魔から──してきたのだ。
ふてぶてしく。
それはどこか苦い味だった。
**********
がらりと戸を開けると、部室にはもうヒル魔しか残っていなかった。
ムサシがここに足を踏み入れたのは工事の進捗を知らせるためだ。網乃戦のあと、ヒル魔から請け負った地下武器庫の掘造。
すぐに引き上げるつもりだったが、テメーも飲むかと珍しいことをヒル魔が言う。コーヒーカップを傾けながら。
ああ……まあ、もらうか。そう答えてムサシはスツールに腰を下ろした。
カップを片手に向かい合う。だがヒル魔はPCから目を離さないしムサシも工事のこと以外は別に話すこともない。父の病状を尋ねられたのでムサシは答えた。思わしいとは決して言えない病状を。
その場しのぎの慰めなど要らないし無論ヒル魔もそんなことは口にしない。最後の一口を終えるまでぽつり、ぽつりとした会話。
「ごっそさん」
やがてカップを置いてムサシは立ち上がった。PCを叩きっぱなしのヒル魔に一瞥をくれて踵を返す。
部室の戸に手をかけようとしたら背後から声がかかった。
「糞ジジイ」
「?」
何か用かと振り向く。
ヒル魔はキーボードに片手を置いてこちらを見ていた。
「分かってんだろうな」
「何を」
「テメーは戻る」
「…………」
ムサシはヒル魔を見つめる。
ヒル魔もまたムサシを見つめる。
ゆっくりと再び口を開く金髪頭。
「うちは何も問題ねえ。テメーが戻るからな」
ぐっと喉につまるものをムサシは感じた。
──いい加減新しいキッカー育てろ
──寝ぼけんな糞ジジイ
そんな会話を交わしたのは夏のはじめだった。
あの時ムサシは笑みを浮かべることができた。テメーは戻る。一方的なヒル魔の言葉に、勝手なヤローだと呟いて。
そうすることができたのは。
何もかもがある意味他人事だったからだ。
アメフトから学校生活から、そして仲間から離れて一年余。もう戻れるはずがない。戻るなどできるわけがないのだ。そんなある種の諦念とともにムサシは全てを眺めていた。未練がなかったといえば嘘になる、でももうどうしようもないのだ。そう考えていた。
だが今は違う。
地獄の夏合宿。
秋大会初戦の勝利。
高校アメフトは本格シーズンを迎えしかもチームはチームとして機能し始めた。ここにキッカーさえいればデビルバッツは秋大会もその後も十分に戦える。死闘をくぐり抜けることができる。目指すは無論クリスマスボウル。
その一方でヒル魔はヒル魔の言葉通りムサシに代わるキッカーを育てなかった。勝つこと。なりふり構わず勝つことにこだわり抜くこの男が、勝率などまるで無視して。
どうしてだなどと聞くまでもない。
あの暑かった夏。
チームが日本を離れてからじわじわとムサシを苦しめた焦慮。
秋大会の開幕とともになお一層ムサシを苦しめる焦慮。
今すぐにでも駆けつけてキックしたい。
何もかも投げうって。
──網乃に勝ったくらいで
後輩たちに吐き捨てた台詞。
──俺は
──俺は
拳を握りしめる。力の限り。
「いい加減にしろ」
押し殺した声が出た。
「できっこねえだろが」
ヒル魔はムサシを見ている。
じっと。
ムサシも視線を外さない。
「…………」
じろじろとムサシを見つめるヒル魔。まるで何か検分するかのように。無遠慮なまなざしだ。
ガタリ。
音を立ててヒル魔がスツールから立ち上がった。ムサシの方へ歩いてくる。
片手を上げた。その手はムサシの背後の壁へ。
ムサシとヒル魔の身長はそう変わらない。視線の高さはほぼ同じだ。
近々とヒル魔はムサシの目を覗き込む。片手を壁についたまま。
──何を
何を考えてやがる。そうムサシが思った瞬間だった。
柔らかいものが唇に触れた。
何が起こったのか一瞬ムサシには分からなかった。あっと思った時にはもうヒル魔はゆっくりと身を引いていた。
「…………」
呆然とムサシは立ち尽くす。何を。この男はいま俺に何を。
「ん」
ヒル魔はちろりと舌を出しておのれの唇を舐める。たった今の行為を品定めするように。
ようやくムサシは口を動かした。
「な、に……しやがる……」
ヒル魔はにやりと笑った。悪魔のような笑み。
「呆けたみてェなツラだな。糞ジジイ」
「…………」
「もしかして初めてだったか?」
揶揄を含んだ口調。
ムサシの意識が飛んだ。
しゃにむに細身の体を捉える。抱き込めておのれの唇をヒル魔のそれに押しつけた。
脳が焼けるようだ。胸が熱い。無理やり抱きすくめてムサシは気づいた、ヒル魔の体は微かに震えている。
──こいつだって
それ以上の思考をムサシは放棄した。震えるヒル魔の体。同じほどうち震えるおのれの体。必死に押さえつけてただくちづけを繰り返す。唇を離し、また押しつける。ヒル魔は抵抗しない。何も言わない。ただ目を閉じてムサシのするがままに任せている。
抑えて。
抑えて抑えて、抑え込んでいたものが一気に噴出したような激しいくちづけ。
抱きしめて、抱きしめて。
これでもかと腕の力を振り絞りかき抱く。
夢中でキスを繰り返す。
腕の中の存在に。
どれだけそうしていたか分からない。
ヒル魔が静かにムサシのシャツを掴んだ。
ムサシは我にかえった。
「…………」
うつむきがちに体を離す。
目を上げるとそこにヒル魔のまなざし。
何も言わずただムサシを見つめるそのまなざし。
さきほどまでとは違う目だ。
静かだがあるかぎろいを秘めた瞳。
ムサシは視線を外した。
のろのろと口を開いた。
「期待させるようなことは言わねえぞ」
返事があるとは思っていない。ヒル魔もまた口を閉ざしたままだ。
ムサシはヒル魔から離れた。
引き戸を開けて外に出た。
──煙草
煙草が欲しいと思った。痛切に。
ひしひしと胸を焦がす思い。
夕闇の中を歩き出す。たった今の行為を、ヒル魔の体のぬくもりを思い出しながら。
今は何も考えられない。考えたくもない。
おのれの思考を閉ざそうと努めてもなお押し寄せる苦い思い。
八方塞がりだ。だがなるようにしかならない。
ふとそう考えた。
そうだ、なるようにしかならないのだ。
明日も明後日も。
鉛を飲んだような気持ちで学内を離れた。
どんな思いだろうが飲み込まなければならない。
戦いに挑むチーム。心を蝕む焦り。
何もかも飲み込まなければ。
歩かなければならないのだ。
月のない暗い夜をムサシの車は走った。
**********
あのあと父や皆に助けられてチームに復帰することができた。いまのムサシはそれを心の底から良かったと思う。もしも戻れなかったら一体どうなっていたのか、そう想像すると今更ながら暗澹たる思いが押し寄せる。だがムサシは現実的なタイプの人間だ。そんなことは起こらなかった。そして現在の自分はかけがえのない恋人とともにある。そのことを心から喜ばしく感じる。
居間のテレビからは夕暮れ時のニュース。もうまもなく恋人は帰宅するだろう。そうしたらふたりで一緒の夕食だ。食卓を囲んで一日のことを語り合う時間。
仕事のこと、アメフトのこと。
何よりもふたりの愛する時間が今日もこれから始まるのだ。
──ガチャ
──バタン!
玄関から騒々しい音がした。鍵の開く音、威勢のいいドアの音。
ソファにいるムサシに苦笑のような笑みが浮かぶ。全く、いつものこととは言え今日もこいつは賑やかだ。
懐かしい声が盛大に響いた。
今日も、当たり前のように。
「おう、帰ったぞ糞ジジイ!」
【END】
1/1ページ