4時限め、もうすぐお昼
体育倉庫の前を通ったら少し扉が開いていた。あれ、誰かいるのかな。閉めなくていいのかなと覗き込む。そしたら薄暗い中に人影二つ。
見慣れたモヒカン頭がこちらに背を向けている。あい向かいに立つのは……ヒル魔だ。
ありゃ。
……ちゅーしてる。
かっと頬に血がのぼってしまった。
どうしよう、これ閉めた方がいいのかな。
何だか迷っていたらムサシがヒル魔の肩に顔を埋めるようにした。ゆっくり目を開けるヒル魔。
わ、こっち見た!
にやり。
僕を眺めて、ヒル魔はいつもの悪い笑みを浮かべた。そうっと手をあげて、人差し指を口に当てるような仕草。
──はい、わかりました
心の中で呟いて、そうっとその場を立ち去った。
──ごゆっくり。
【END】
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