うちの子語り

創作関連の呟きです。
うちの子の妄想ネタをただ投下していく…。
作品にするには足りない、けど自分が面白い感じ。

記事一覧

  • 黒幕プロローグ。

    20240421(日)11:04
     死に場所を探していた。
     死に方も分からないまま。
     自分の居場所なんか初めからなかった。
     ただそれに気付けるようになったのが最近だった。
     手遅れとは言えない。
     だから今こうして、探している。
     身分証の類は全て置いて来た。
     誰に見付かるかも分からない。
     逃げたとバレたらすぐ捕まるかも知れない。
     だから遠くへ。
     知らない道だけを繰り返し選び続けて、知らない場所を目指す。
     そうして死に場所となるところを、決める。
     細い裏路地。
     今までそれでも避けてきたような裏の空間。
     何があるか分からない、実家にいたときと同じくらいの痛みがあるかも知れない。
     でももう構わない。
     今死を目前に彷徨う自分には大差ないことだと。
     密集する建物。
     散乱する廃棄物。
     何故こんなものが落ちているのか分からないような道端。
     幸か不幸か、他の人影は見られない。
     5階以上あるビルを探す。
     大体が3階建て、あっても4階建てが大半だった。
     ようやく見付けた5階建ては、日陰にあるせいか古ぼけて見えた。
     けれど外壁はヒビもなくシャッターも綺麗なので築浅だろうと分かる。
     出入り口らしいドアは建物の左側にあった。
     シャッターには勿論鍵が掛かっていたが、こちらなら。
     そんな淡い期待を抱いてドアノブを回す。
     こんな場所でも、いや、こんな場所のためかやはり施錠されていた。
     しかし諦められなくて、何度も何度も力任せに回した。
     ドアを押したり引いたりしながら、壊し兼ねないくらい乱暴にノブを回す。
     それでもドアは開いてくれない。
     それに気付くと急に虚しくなり、ドアノブから手を離して座り込む。
     空腹感を思い出した。
     昨夜から何も食べていないのだ。
     もう死ぬからと夜通し歩き続けて、自分を騙していたけれど、身体の方は待ってくれない。
     腹が減ったと口から勝手に零れた。
     家にはそもそも碌に食べ物も置かれてなかった。
     無論現金など尚更だ。
     最後に食べたのはいつで、何だっただろうか。
     それすらも曖昧で、次第に視界が狭まっていく。
     このまま寝たら死ねるだろうか。
     またもうっすらと希望を抱いた。
     しかし、こちらに近付く足音にその希望も掻き消される。
     すぐ傍まで来て一旦止まったその足音に顔を上げる。
     こちらを見ている1人の男性。
     瞳はとても冷たくて、じっと見入るその目付きは睨んでいるとも言えた。
     ここの人か。
     そう気付いて、ドアの真ん前から右側にズレた。
     隣の建物は3階建て。
     こちらも勿論出入り口は閉まっている。
     今日はここで野宿かと覚悟をして、身体を小さく丸めるように座り直した。
     ドアの鍵が開けられる音と、ドアが開かれる音。
     しかし次の動作が続く気配はしなかった。
    「おい」
     不思議に思いながらも抱え込んだ膝に顔を突っ伏していると、ふと頭上に声が降って来た。
     気怠げに顔を上げる。
     居たのは先刻の冷たい瞳の男性だ。
    「入らないのか?」
     初めは自分に言われているとは微塵も思わなかった。
     他に誰かいたのかと思い、周りを見回してしまったほどだ。
     しかし自分と男性以外、どう見ても人影はない。
     怪訝な顔付きで再度男性を見上げる。
     男性は尚もこちらを見ていた。
    「入りたいんじゃないのか? 来ないのか?」
    「……え、と……」
     どうして。
     確かに入ろうと試みた。
     でも施錠されていたから諦めた。
     座り込んでいたのはもう動けなかったからで、開けてくれる人の帰りを待ってたわけではない。
     ない、のに。
     お互い無言のまま暫く経った。
     念押しするかのように、男性は訊いた。
    「来なくていいのか?」
     その声に引き上げられた、そう思ったのだ。
    「っ、い、行きます……っ」
     立ち上がって、簡単に服の砂埃を払って男性の方へ歩く。
     しかし空腹と疲労感のせいで足取りはおぼつかなくなっていた。
     よろめきながらも転げないよう、ゆっくり男性の待つドアへ。
     そんな何歩も離れていない距離を埋めることがとても大変だった。
     先に入った男性に続いてドアをくぐる。
     男性は階段を上ってすぐの部屋へ向かうよう告げてから、ドアを閉め施錠した。
     死ぬつもりだった。
     そのことに変わりはなかった。
     でも結果、実際に命を落とすことなく死ぬことになるのだと、階段を上るこの時にはまだ知らずにいたのだ。

    ネタメモ

  • というメモ

    20240412(金)12:25
    隼人に関しては救済そのものが同時に復讐にもなるんだろうな。

    わたしの創作に於ける目的が救済と復讐にある、という話は以前ちらっとしたんですけど、それを踏まえると隼人が一番その味(傾向?)が全面に出そう、というか影響受けてそうだな〜…と。
    改めて思った。

    「灰界」シリーズ

  • 草薙の剣ィィィ!!!!

    20240408(月)12:42
    そういや憂巫女の持つ刀の名前「鍾海」だし、別名「海鳴り」とか呼ばれてるし、これはもう海に還すしかないんでは?
    憂巫女魂は海に還そうか……山ではなく……

    何で山だったんだろうかみたいな疑問も当然湧くけど、それはとある文庫を読むまで“知らなかった”からというシンプルな理由があるだけだからな。
    日本では死んだ人の魂は山へ逝く、という考えが一般的なので、だから多分憂巫女たちの霊を慰める=山だったんだろう。
    けども、とある文庫を読み「他界信仰」――所謂死後の世界や異界という概念において、日本では山より前はそれは「海」が一般的だったという主張が書かれてまして。
    海とか水とかが割と好きな渡琉さんとしては、個人としても死んだら海に還るとか考えてるタイプなので、『海、いいじゃないですかぁ!!』となってきたわけです。

    で、改めて設定見直してみたら卑刀の名は「鍾海」やし、別名「海鳴り」とか言われてるとか妄想語りを過去にしてあったりして。
    あれこれ無意識に先に出てた答えに後から気付いて確認するいつものパターンかな?? ってなったところです。
    んーほんとにわたしって奴は。

    所謂「常世」とか神の住まう世界とかは「海の向こう」に存在するってのは今でもなくはないよな。
    琉球のニライカナイとかもその仲間だと思うんだが。

    しかし瀧崎に伝わる鬼刀と比べたら、憂巫女の持つ卑刀はまだまだ最近造られたものなのよね。
    卑刀はまだ歴史が浅い。
    砂蔵のいた室町時代にはなかったって鳳凰が言ってたし(※ディヴィジョン参照)。
    ということは砂蔵から琴羽へ転生するこの200年の間に造られたということになる。
    こう書いててちょっと驚いたんだけど、この間ちょうど戦乱期、所謂戦国時代に突入して、徳川家康が平定した辺りなので、元々普通に使われてた刀の可能性もなくはないんだな。
    ヤバすぎ。
    瀧崎の鬼刀はもう鬼を狩り、食用に捌くつもりで造ってあるので門外不出的なやつです。
    まぁ普通に人も殺せますが…
    それは卑刀も同じか。
    鬼刀「懐宝」はそれでも何度か造り直してると思います。
    今隼人が持ってるのは5代目くらいじゃないかな〜、知らんけど。
    瀧崎はいつからあるって言ったっけ前回? 多分すぐ下の記事。
    後で見ておこ。
    その頃から鬼刀「懐宝」という名を付けた刀で瀧崎一族は鬼を“狩猟”または“駆除”しているのだ。
    懐宝の別名は「忘れ形見」ということだが……この辺の意味は決めてあることはうっすら覚えているから……何とか……忘れるなよ渡琉…………
    フラグじゃねぇぞ。

    そんな感じです。


    余談。

    わたしも死んだら海に還る、ってのは、つい最近閃いたわけじゃなく結構前から思ってたことで。
    その理由が「そもそも生命は海から生まれた」なので、あったところに還る(戻る)だけのこと、という理屈で御座います。
    下手するとこれ高校生の頃にはもう考えてたかも知れない。


    憂巫女も鬼神もそれこそ卑刀「鍾海」も、全部を海に還せたら、そこが灰界シリーズの終わりになるんだろうなぁ。

    「灰界」シリーズ

  • 瀧崎の業

    20240227(火)20:15
    隼人に関するあれこれを語りたくなってるんですけど、その殆どが多分(書けるなら)次章本編で書くべきだろうあれこれなので、あまり先に独り言として書いちゃうのはよくないだろうな~~
    って思ったんですけど、書かないとそれはそれで忘れちゃう気がするし、独り言として書いても結局(書いたんなら)本編内でも書くし、その頃にはここで語ったことを覚えている人は殆どいないだろうので、やっぱ率先して書いといてもいいんでねぇか、という結論に至った(長い)。
    ネタメモ帳代わりですね。

    しかし次章の隼人回、ほぼ戦闘シーンなさそうだけどいいかなー、なんて素で考えていたんですけど、そもそもディヴィジョンとトランサーが何か派手に戦ってただけで、灰界シリーズ自体は別にバトルを重視しているわけではなく……
    シリーズ通して見ても、戦闘シーンあったのはジレンマ、リザイン、ディヴィジョン、トランサー……いや半分!!!!!
    正直エトランジェは本編書いてない(しあんま妄想もしてない)のでバトルする要素があるかどうかも分からん。
    ない、と仮定しても、エトランジェとレクイエムしか特に戦ってないシリーズなかったのか。
    わぁ……(引くな)
    本人全然そんなつもりじゃなかったのでまじで引いてる。
    えぇ……そう……へぇー……

    うーん、次章もそう、派手に何かと戦うってーのはないはず。
    最鬼がいないのでバトらなきゃならんのはないんだけど、隼人はまだ鬼狩り自体は続けてるしなぁ。
    憂巫女が戦う必要はないでしょうけれども。
    鳳凰も動けないし、真鬼(も創鬼)も本調子じゃないし、白沢は監視下にあるし。

    あー……(何か思い付いた声)

    下級の鬼との遭遇率は増えそう。
    鬼神のパワーバランス崩れて、圧みたいなのが緩まったせいで。
    その下級の鬼を華倉さんも退治していく過程で隼人と再会するんだろうな……次章はそんな感じの流れになりそうだな。

    「灰界」シリーズ

  • ざざっとメモ。

    20240221(水)20:05
    瀧崎家は現代でも鬼を狩り、食糧としている。
    わたしの扱う鬼は妖怪ではあるんだけど野生動物寄りでもあるので、別に捕って食っても問題はない。
    ただ本当に食うようなやつはそうそういない。
    単純に鬼の方が強いという理由もある。
    現に瀧崎家が仕留められる鬼も下級が殆どである。
    鬼には上・中・下とランクがあるが、これはあくまで人間(主に瀧崎の一族)が自分たちの都合で決めた目安である。
    が、大雑把に強さを見分けるには充分活用出来る。
    上級というのが所謂「鬼神」と呼ばれる3体の鬼のことで、今ここにカテゴライズされているのが真鬼と創鬼の2体。
    最鬼は憂巫女に喰われたので強制除外された。
    上級は3体揃っているとその鬼がどんな個体であれ鬼神としてのパワーバランスが完全なものとなり、憂巫女を含む人間や自然環境、聖獣や他の妖怪などあらゆる存在へ影響を及ぼす脅威となる。
    上級への昇格条件は曖昧(未確認)だが、中級の中でもトップクラスに強い鬼が更に力を得て一定のラインを超えると勝手に“同期”される。
    それを以て上級認定されるらしい、という理屈は情報として出ている。ここで初めて人間(瀧崎や憂巫女等)が鬼神の気配に気付けるようになるということも。
    なので上級になりそうな中級の鬼に目星をつける等、事前に打てる手段は少ない。
    瀧崎家はその上級の鬼が再び3体になることを防ぐことも含め鬼の個体数を減らすため、出来る限り鬼狩りを続けて行く。


    ……みたいな感じだったら次章確定だな~~~~??????!!!???


    正直、隼人が敵なのか味方なのかってのが未だに曖昧です。
    少なくとも今まで味方のつもりで書いてたことはないんですけど(!)
    勢力関係といいますか、全部各々独立してるしそれぞれ何となく因果関係にあるって程度なんですよ。
    憂巫女、鬼神、の他の第3勢力として鬼狩り(瀧崎)一族が存在する。
    現に瀧崎家は直接的に憂巫女とは何ら関わりがない。
    篠宮家もだいぶ歴史の長い一族ですが、言うても篠宮は大元が江戸初期の浪人なので長くても400年そこそこ。
    瀧崎家は一族として勃興した明確な時代は分からないけれど(まだ決めてない)、鬼喰い自体は早ければ鎌倉時代には既に家業になっていた。
    ので篠宮家よりも歴史のある一族だったりします。

    憂巫女は憂巫女として、瀧崎家は瀧崎家としてそれぞれ鬼について情報を探っていた。
    でも憂巫女は体系的にまとまっていた組織なんかはなく、生活の後ろ暗い部分に隠され続けて来た悪しき慣習のため、鬼とどう戦うのかとかそれどころではなかった。
    その点瀧崎家は「家」という組織としてシステムを整えて機能させ、効率的に鬼との関わり方をスキルとして蓄積してきた。
    その中で憂巫女という鬼のみならず妖怪にとっての「ヤバい存在」のことは知り得ただろうけど、当時は伝説程度の認識だったのかも知れない。
    それが何の因果か現代で、同時期に生まれ同じ生活圏で遭遇した。
    のか灰界ジレンマの内容の一部でして。

    となるとやはり隼人は別に華倉にとっては味方ではなく、かと言って敵でもないわけだけど。
    でも鬼は狩猟、監視及び管理対象という扱いをしているため、見過ごせるものではない。
    こういう事情(バックボーン)があるため、高校時代隼人が魅耶を好きだったってーのは割と由々しき状況ではあったのよね……。
    そういうのを……次章で書き切れるといいですね………書けるかな?

    小説を書くには、わたしの場合はまず妄想状態がオート(自動)モードにならないと続かないんですよねぇ。
    何してても妄想してるくらいになってると勢いも出てやる気になれるんだが。
    まだそこまでいってなさそうです。

    さて、どうなるかな??

    「灰界」シリーズ