とうとう
科学者何してんの、とちょっと涙声になりながら呟いた。
俺と違って、魅耶は平然としたまま、僕には分かりませんが、と答えた。
「でもこのニュース記事自体が4年も前なので、続報があるなら確認したいところです」
「……そう」
何かもう反応に困る。
よくわかんねぇよ何でまたそんな話題を朝一番に持って来るんだよ、と脳内でまくし立てた。
……そう言われれば。
「珍しいね、魅耶がそういう話題出すの」
俺の切り返しに、魅耶がきょとんとした。
そういう話題、とは、ざっくり言えば「家族を増やす」こと。
俺はたまに考えることがあるけど、魅耶とその手の話をしたことはなかった。
魅耶、ここに来て子ども欲しくなったのか?
あまり深く考えずに、そう、軽い口調で訊いてみた。
すると魅耶は「いいえ」ときっぱり否定。
けれど。
「……実際問題、自分の子が欲しいと願う人たちにとっては、喜ばしい話題なんだろうなと」
思っただけです。
と、魅耶は俺を見ずに告げた。
その魅耶の意見自体が、俺にとっては意外だったんだけど。
そうだね、と小さく笑って応えた。
「あ、でも。華倉さんが欲しいと仰るなら喜んで作りますよ~」
ころっとテンションを変え、ウフフフと笑いながら魅耶が言う。
今度は味噌汁が気管に入った。
そんな簡単に言うんじゃない。
その二日後。
「そう言えば華倉さん。同性同士で子ども作るやつ、続報ありました。今のところ、雄同士では難しいそうです。残念ですねー」
「……そう。それは……ざんねん……うん……(俺はどういう気持ちで相槌すればいいのか……)」
+++
ほんとね。
情報自体は2年後の2018年付けで出てたわ。
2020.9.9