詩集


「こちらの落ち度です。」


解放されたはずだった
この身を蝕むものから
逃れられたはずだった

何が起こるわけでもない
決して華やかでもないけど
それを求めていた
だから今が好きだ

何も要らなかったんだ
悩みも迷いも望みも祝福も何も
高みには行かなくていい
ここで平穏に 同じ事を繰り返す

それだけで良かったんだ

何も変わっていなかったんだ
この身は今も蝕まれていたのに
気付けなかった その愚かさにも
手に入れた解放が幻覚だったことにも

思い知らされる
何も変わっていない現実だけが
変わらずに涼しい顔で
こちらを見ている

逃れられないのは 生きているせいか
生きている限りはこのままなのか
何も起こらなくていい
何も求めていないんだよ

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