【夢小説】Hide and seek?


 何か声を掛けようか決め兼ねている私の肩にフレイグさんは額を乗せ、2人の距離を限界まで縮める。

「なので……特別な理由は、ないんです。僕がしたくてしている、それだけです」

 素肌にフレイグさんの吐息が掛かる。
 くすぐったさを感じながらも、それ以上にその切なげな声色が気に掛かった。

「単なる我儘ですよ、僕の。だからこれからも許してもらえたら」

 嬉しいですと言いながら、フレイグさんは顔を上げて笑って見せた。

 私は言及することも出来ず、ただフレイグさんの首に腕を回して頷くだけ。
 どうしてなのかは分からないけれど、その時はそれでいいと思えたから。

 強くはないけれどしっかりと、文字通り私を“捕まえて”おくかのようなフレイグさんの両腕。
 それは私の存在かたちを確かめているみたいにも思えた。

 それから彼は、自分に凭れ掛からせるように私を抱き込みながらソファーに背を預ける。
 顔は私の首元に埋めて、丁寧に呼吸を繰り返していた。

 私はというと、いつもならドキドキしてしまうというのに今日は変に冷静で、彼の頭を撫でるようにゆっくりとその髪の毛に指を滑らせていた。

 この人の中にはまだ、彼自身も気付いていない「淋しさ」が存在するのではないかと。
 急に、そんな疑問が私の胸に湧き上がっていた。


 翌朝。
「も〜! だから! こんな見えるところにキスマーク付けないでくださいっ!!」
「おや、それは申し訳ありません。気付きませんでしたねぇ」


2026.03.01

(――So,I'm waiting to be found.)
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