【夢小説】Honey in the Dark


「今、他の人の名前出すの……やめて」

 2週間振りなんだから。

 それを合図に再度リカは顔を落とす。
 完全にベッドに上がったリカが私の姿を隠してしまうかのように、2人の身体が重なった。
 唇は決して離さず、たまに息継ぎ出来る隙間だけ何度か作る。

 リカの手が器用に私のブラウスを脱がせていった。

「誰に妬いてんの? お前そんなだっけ?」

 ふはっ、と途中、堪え切れずにようやくリカが吹き出して呟いた。
 ブラウスは脱ぎ掛けでまだ袖が引っ掛かっていたけど、私はそのままリカの腰を抱いていた。

 リカに指摘されて恥ずかしくなるけど、本心だから何も言い返さない。
 独占欲の強さ、リカに似てきたのかも知れないな。

「リカちゃんの真似、多分」

 ふーんとだけ呼応して、上を脱いだリカが戻って来る。

 チョコレートとワイン、キスの雨、リカの体温と甘い声と、私を蕩けさすには有り余るほどの状況で。

「最高じゃん」

 リカが満足気に言った。

 スカートの裾を捲るような手付きで太腿を指先が滑る。
 私の弱いところはもう全てリカに把握されている。

 ぞくぞくする感覚が全身に巡って、それに耐えるように目を瞑っていると、ふと耳元で吐息を感じた。

「なぁ、やっぱ話すんの明日でいい?」

 リカの囁く声がした。
 リカの声は落ち着いていたけど、吐息はちょっと頻度が多くて、何より熱を孕んでいた。

「今日はもう、お前のことしか考えたくないから……お前に触れる以外はもう全部明日な」

 今夜はこのまま混ざり合う。

 多分私は返事をしたと思うんだけど、その後はあまりはっきりした記憶はなかった。
 熱に浮かされた私が繰り返す「リカちゃん」呼びに、リカが観念したように笑ってたこと以外は。


2025.08.05
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