【夢小説】Your Belief
そうであってほしいと思うのは私の我儘なんだろう。
でも今は、それであればいい。
私の突然の話にフレイグさんは勿論、ナビもアヴィも、イザークさんもポカンとしている。
一番に反応したのはナビで、やや感極まったような抑えた声色で、姫、と私に呼び掛けてくれた。
ナビには私の気持ちが伝わったみたいで、私はナビを見下ろして微笑む。
お姫様よ〜、とイザークはちょっと呆れたような視線を私に向けて来たけど、その隣でフレイグさんが再度肩を震わせている。
けれど先程の可笑しそうな笑いではなくちょっとだけ、本当にちょっとだけ泣き出しそうな、そんな笑い方で。
「本当に、貴方という人は」
一度顔を手で覆いながら俯いたフレイグさんだったけど、深く息を吐いた後、すっきりした笑顔で私を見詰める。
「貴方が言うなら、そういうことにしておきましょう。幾許か……僕の心も軽くなりそうだ」
目尻を下げてそう告げるフレイグさんに、私もしっかり頷き返した。
「ったく、お姫様には敵わねーな。やっぱ喧嘩売ったの間違いだったのかもな」
「そう言ってくれるなイザーク。何であれ僕は、アカリさんに出会えて良かったよ」
どんな結末だろうときっと満足しただろう。
フレイグさんはそう満ち足りた瞳で呟く。
それから改めて私とナビと、アヴィに順番に視線を送って続ける。
「今後も暫くアトラス王家の厄介になるから、貴方たちとも交流があるだろう。……これからも宜しく頼みます」
フレイグさんからの挨拶に、はい、と私は元気よく返事をした。
2025.07.08
(ここでいう“世界”とは貴方を指すのだから、貴方が望んだことになるのだと)