【夢小説】Your Belief
最後の悪足掻きとも呼べる大爆発を起こしたユメクイの衝撃は、いつまで経っても私には届かなかった。
逃げることも出来ず目を瞑ったと同時に見えた気がした人影は気の所為ではなかったのだ。
衝撃の波が引いていくのに釣られるように私もゆっくり目を開く。
するとしゃがみ込んだ私をすっぽりと覆い隠すように立ちはだかるフレイグさんの背中が、そこにはあった。
向いているのは、ユメクイがいた方で――
「フレイグさん!!」
すぐに何が起きたのかを理解して私はその背中に叫ぶ。
それを合図としたかのように、私に向けられたユメクイからの攻撃を全身で受け止めたフレイグさんの体が足元から崩れるように倒れ込んだ。
「フレイグさん、っ……やだ、どうし……っ!」
どうしてこんな。
私たち、今の今まで対立していた。
最後の最後まで戦い合っていたのに。
フレイグさんはその身1つで私を守ってくれたのだ。
フレイグさんからの反応があるまで何度でも名前を呼び続ける。
動かさない方がいいと分かっていてもその上体を抱き上げ、軽く揺すってしまう程に。
何度目かの悲鳴のような私の呼び掛けに、ようやくフレイグさんの瞼が開かれる。
「……ああ、無事……でしたか……」
力無く笑ってフレイグさんは私の顔を見詰めて呟く。
その眼差しにも声にも覇気は全くなかった。
それだけで泣き出してしまいそうな自分を心の中で叱咤して、私はフレイグさんに問い質す。
「どうしてこんな真似を……っ何で私を、守ったりしたんですか!?」
咄嗟の判断だったのだろう。
剣も構える猶予もなく、この人は私とユメクイの間に割って入った。
私からの叫ぶような詰問(きつもん)に、フレイグさんは一度目を伏せて、それから左手をゆっくり上げてくる。
「大事な、人を守る……理由が、必要ですか?」
フレイグさんからの答えも問い掛けだった。
そんな内容だったから余計に混乱した。
「そんな、そんなわけ……フレイグさんにとって私は……」
大事な存在なわけが。