【夢小説】Velvet
彼は言いながら、乱れて落ちて来ていた前髪を掻き上げる。
いつしか隠れていたあの赤い瞳が、真っ直ぐに私を映す。
赤……い、
「またか」
フレイグさんが舌打ちのように声を零した。
キスしかされていないというのに、もうその時の私の姿は酷く乱れていた。
「……このまま、貴方を暴いてしまうのも一興ですが、今日はこの辺りまでと決めていましてね」
涙で滲んで視界が歪む。
上がった呼吸が収まるにはまだ時間か掛かる。
そんな私の上からフレイグさんは突然起き上がった。
先程よりも丁寧に前髪を掻き上げて、乱れた自身の着衣を直す。
「時間ならあります。貴方はこれから一生此処で暮らすのですから……より時間を掛けて、ゆっくりと、覚えていってくださいね」
――僕のことを。
夢だとしても酷過ぎて、私は悔しさから嗚咽を漏らす。
彼に背を向けるように顔をベッドに押し付けて突っ伏した私の頭を、フレイグさんの手が優しく撫でて来た。
「泣くのはやめなさい、可哀想なお姫様」
トロイメア王女として産まれて来てしまったばかりに。
フレイグさんはそんな風に、蔑むように言い聞かす。
トロイメア王女として産まれて来たばかりに、見たくないものを見せられ聞きたくない罵倒を浴びせられ、僕のような者に恨まれ狙われる――
「でもご安心を。此処で僕に愛されていれば、この先そのような目に遭うことはありません」
フレイグさんは当然のことのようにはっきりと言い切る。
震える私を慰めるではなく脅すかのように、その綺麗な声で。
「――此処にいて僕の隣で笑っていれば、もう悪夢など見なくて済むのだから」
2025.06.27
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一方の弟ズ。
イザーク「兄貴って案外趣味悪ぃよなぁ」
シリル「それは言えてる」
ルーファス「そーお? お姫様可愛いから当然じゃない? 俺だって欲しいし」
みたいなこと言いながら酒呑んでてくれ(シリルはダメって言われてる)。