悪夢の警鐘
朝から大欠伸。
まぁちゃんと寝てないからしょんねぇんだけど。
ついでにぐぐーっと伸びをして、俺は昇降口へ入って行く。
今日も変わらぬ1日の始まり。
靴を履き替えていると、廊下の向こうから、聞き慣れた声がしてきた。
この声は、と思って顔を上げると、丁度1人目が姿を見せた。
「瀧崎おはよー」
会長がまず挨拶をしてきた。
朝からお仕事かいな、と思いつつ、はよっす、と雑に返事。
しかし、返してからはっとする。
やべ、会長にこんな雑な対応をしたら、あの人から小言が……!
と思うのが先かどうか、すぐに会長の隣に姿を見せる逢坂さん。
あ、と思う俺がちょっと身構えたと同時に、逢坂さんが口を開く。
「おはようございます。朝からダルそうですね」
?
あれ?
嫌味も何も飛んで来なくて、はっきり言って拍子抜けしてしまった。
あ、はい、としか返せずに、きょとんとしたまま2人を見送った。
逢坂さん、今日アタリ優しくない??
あれ、それとも俺の感じ方が鈍くなってきた?
なんていろいろ考えつつ、取り敢えず教室へ向かう。
今日は体育もないし、ずっと寝てるかも知れないな。
しかし。
移動教室の途中、亜紀にゃん先輩に見付かり。
今日の昼休み、執行部あるからね~、との連絡を受けた。
昼休みはどうやら動かなければいけない様子。
ふぇい、と呑気な返事をして、午前中の残りの授業も寝て過ごした。
さすがに何か食いたいかも知れない。