鳳凰「麒麟…幸せとは難しいものであるな」

麒麟「？　如何されました鳳凰様？」

鳳凰「いや、実はな…」

＋＋＋＋

砂蔵「で鳳凰は結局、俺と華倉どっちを選ぶの？」

鳳凰「？　いや、お前たちは同一人物であろう？」

砂蔵「はぁ？　そんなわけないでしょ！　俺と華倉は別人！　どっち選ぶの！？」

鳳凰「…いや、勿論我には砂蔵だけだが…」

華倉「ええっ！　鳳凰本気？！」

鳳凰「華倉！？」

華倉「鳳凰、俺にして来たこと全部嘘だったわけ？」

鳳凰「えっ？　いや、そんなことは…」

砂蔵「ちょっと鳳凰！　どういうこと！」

鳳凰「どっ、どういうことも我にはよう分からぬが…」

華倉「自分のこと分からないってどういうこと？　鳳凰は自分が誰を好きかも分からないわけ？」

砂蔵「鳳凰！　ちゃんと決めて！　俺と華倉、どっちが好きなの？！」

鳳凰「え…いや、え、それは……」

華倉「鳳凰、まさか砂蔵さんじゃないよね？　俺だよね？」

鳳凰「華倉……」

砂蔵「って鳳凰！　あれだけ愛し合ったのに俺のこと捨てる気！？」

鳳凰「っ！　そ、そんなことは断じてない！　砂蔵……」

華倉「…で」

砂蔵「どっちだよ？」

鳳凰「……ど、っちも、では」

砂蔵「駄目に決まってるだろおおお！」

華倉「どっちかちゃんと選んで！　俺に決めて！」

砂蔵「いや、俺でしょ！　鳳凰のこと一番愛してるの俺だし！」

華倉「そんなことない！」

鳳凰「ふ、ふたりとも……落ち着け…」

＋＋＋＋

鳳凰「と言う夢を見てな…突然訪れた幸せに不覚にも戸惑ってしまってな」

麒麟「…はぁ？」

鳳凰「まさかの出来事にまこと慌てふためいてしまった。あれほど焦ったのは織田信長に室町幕府を滅ぼされたとき以来だ」

麒麟「……左様でございますか…（道理で上機嫌なわけだ…）」


2017.3.12
（夢かよ）