日曜はだらける
日曜は、学生の時は昼頃まで寝てる日だった。
でも働き始めてからは、俺の仕事内容も一因かも知れないけど、特別な過ごし方をすることはなくなった。
平日も休日も毎日同じ時間に起きて、朝のお務めをこなす。
違いと言ったら、公的な用事が殆ど入らないくらいだろうか。
俺はお務めを終えて、ついでに持ってきた朝刊を広げながら、そんなことを考えていた。
今日はお務め前に掃除やら引き戸の修理などをしていたため、時刻はもう10時を回っている。
今から朝食というのも微妙だったので、取り敢えずコーヒーだけ啜っている。
スポーツ面に入ると、あー、昨日の試合な、と無意識に独り言を零す。
昨日はデーゲームで、用事が入っていたためリアルタイムじゃ見れなかったんだけど、どうやらサヨナラ負けしたらしい。
夜のニュース見て、つい「は!?!」って言ってた、テレビに向かって(魅耶が凄く吃驚していた)。
ネットで途中経過を確認したときは8回表で勝ってたからイケると思ってた。
最近負けが続いてるんだよなー、とか何とか、新聞に向かって愚痴を垂れる。
この時の俺、多分どう見ても「おっさん」だった。
そんな俺の背後で物音。
襖が静かに開かれて、ぅあ~……とかいう低い声。
「……おあよぅござぁます……」
どっからどう見ても「起き抜け」と分かる魅耶が姿を見せた。
そんな魅耶を見て、俺は挨拶を返す前に気付く。
そうか、今日は魅耶が一緒に起きて来なかったんだ。
いつもは大体一緒に起きて、俺のお務めの手伝いしてくれるんだけど。
今日は何度呼んでも反応がなかったから、そのまま寝かせといたんだっけ。
それを再認識してから、おはよう、と返す。
魅耶は眼鏡をずらすように差し込んだ指で目をこする。
今何時ですか、と訊かれたので、10時半と答えた。
「……まじすか」
自分でも予想外に寝たと気付いたらしい、魅耶が時計を見上げて驚いていた。