鑑賞


 さっきからにーちゃんは指だけ動かしてる。
 もっといろんなとこ触ってほしいのに、ずっと同じこと続けてる。

 ただ口の中に指入れられて、舌べらをぐにぐに押されてるだけなのに、何かどきどきしてきた。

 にーちゃんはそんな俺の反応を見て、勝手に楽しそうにしてる。
 これはこれで結構苦しいんだけど、それと同じくらいに妙な気持ちよさがあって困る。

「ん……ふぅ、んは」

 時たま親指で俺の唇をなぞったりしつつ、俺の口の中で2本の指を動かし続けるにーちゃん。

 そのまましてるとヨダレが零れてしまうから、俺は時々ヨダレを飲み込もうと息を吸う。
 その時どうしても指を咥えるような感じになる。

 何か……恥ずかしい。

 でもにーちゃんは全然指を抜いてくれる気配もないし、俺はそのままで何とかしゃべろうとするんだけど、舌べら押さえられてるとうまく言葉にならない。
 結局ヨダレもちょっと垂れて来ちゃうし、俺はどんどん我慢できなくなって来てるし、さいあく。

「んんぅ……」

 しゃべれないなら行動に出るしかない、と思って、俺はにーちゃんの指に吸い付いた。
 いつもあれを舐めてるように、指先を舌でちろちろしたり、わざと音を立ててみたり。

 にーちゃんはそれでもただ俺を見てる。
 にやにやしてるけど。

 一旦指を止めたかと思うと、小さくだけど今度は指を出し入れし始めた。

 何でこう意地悪なんだろう。
 こんなことするんなら、指じゃなくてもいいじゃんか。

 でも今はその指を一生懸命しゃぶった。

 俺は今、座椅子にもたれて座るにーちゃんのお腹の上に跨がってるわけだけど。
 にーちゃんが手をちょっとずつ自分の顔の方へ遠ざけて行くから、俺は前屈みにそれを追い掛ける姿勢になっていく。
 にーちゃんの胸辺りに手を付いて、指はずっとしゃぶったまま。

 にーちゃんはわざとなのかも知れないけど、そこまでは俺には分からない。

 すっかりその気になってる俺は、にーちゃんのお腹にくっつけた自分の腰を小さく揺らしていた。
1/3ページ
スキ