・夏の終わりに、帰る場所
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「あれは…お札…?」
祖母の家のものとは違うものだろうか。
他の家のことはわからないが、きっとこの地域ではお札を貼るのが当たり前なのかもしれない。
「テメーもっと奥座ればいいだろが」
やっぱり考えすぎだったな、とほっと息を吐いたところで後ろの扉が開いた。
出入口近くに座る私を呆れたように見下ろしている。
「目上の人ならともかく、千空のおうちならいいかなって」
彼は曖昧に笑う私をじとりと見ると、「ほらよ」とグラスに入った緑茶と水羊羹を目の前に置いた。
「わぁ!水羊羹!私これ大好き!」
「クククッ…昔もそう言ってよく自慢してきたじゃねぇか」
「千空にも食べさせてあげたかったなぁ」
私は祖母の作る水羊羹が大好きだった。
だからおやつに出るたびに、遊びに来た千空に自慢したものだった。
目の前の水羊羹に、懐かしさから目を細める。
本当に、千空に祖母の作ったものを食べてほしかった。
そこまで考えて、ふとした疑問が浮かんだ。
…あれ?私、おばあちゃんと千空が一緒にいるところ、見たことある?
いつも千空と遊ぶのは祖母が出掛けている時だった。
話しているところを見たことがない気が――。
「おい。なにぼーっとしてんだ。早く食え」
「あっ…う、うん。いただきます」
隣に座った彼の言葉に意識を引き戻される。
なにを考えているんだ私は。
最近まで千空のことも忘れていたくらいなんだから、きっと忘れているだけだろう。
そう目の前の水羊羹をスプーンで掬う。
そういえば千空は食べないんだな。そんなことを思いながら水羊羹を口に運ぶ。
隣から、じっと見られている気がした。
よく冷えたそれが口の中へ滑り込む。
――目の前の彼の口元が嬉しそうに歪むのを見た。
「食べたな」
その言葉に顔を上げると同時に、喉の奥にするりと水羊羹が滑っていく。
ごくり。
飲み込む音がやけに大きく響いた気がした。
「…!?かはっ…!」
どくり。
心臓が軋むのを感じる。
身体が焼けるように――熱い。
祖母の家のものとは違うものだろうか。
他の家のことはわからないが、きっとこの地域ではお札を貼るのが当たり前なのかもしれない。
「テメーもっと奥座ればいいだろが」
やっぱり考えすぎだったな、とほっと息を吐いたところで後ろの扉が開いた。
出入口近くに座る私を呆れたように見下ろしている。
「目上の人ならともかく、千空のおうちならいいかなって」
彼は曖昧に笑う私をじとりと見ると、「ほらよ」とグラスに入った緑茶と水羊羹を目の前に置いた。
「わぁ!水羊羹!私これ大好き!」
「クククッ…昔もそう言ってよく自慢してきたじゃねぇか」
「千空にも食べさせてあげたかったなぁ」
私は祖母の作る水羊羹が大好きだった。
だからおやつに出るたびに、遊びに来た千空に自慢したものだった。
目の前の水羊羹に、懐かしさから目を細める。
本当に、千空に祖母の作ったものを食べてほしかった。
そこまで考えて、ふとした疑問が浮かんだ。
…あれ?私、おばあちゃんと千空が一緒にいるところ、見たことある?
いつも千空と遊ぶのは祖母が出掛けている時だった。
話しているところを見たことがない気が――。
「おい。なにぼーっとしてんだ。早く食え」
「あっ…う、うん。いただきます」
隣に座った彼の言葉に意識を引き戻される。
なにを考えているんだ私は。
最近まで千空のことも忘れていたくらいなんだから、きっと忘れているだけだろう。
そう目の前の水羊羹をスプーンで掬う。
そういえば千空は食べないんだな。そんなことを思いながら水羊羹を口に運ぶ。
隣から、じっと見られている気がした。
よく冷えたそれが口の中へ滑り込む。
――目の前の彼の口元が嬉しそうに歪むのを見た。
「食べたな」
その言葉に顔を上げると同時に、喉の奥にするりと水羊羹が滑っていく。
ごくり。
飲み込む音がやけに大きく響いた気がした。
「…!?かはっ…!」
どくり。
心臓が軋むのを感じる。
身体が焼けるように――熱い。