・夏の終わりに、帰る場所
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「暑いー!」
祖母の家に帰ってきて二日目。
有給をとっているのは明日までなので、明日の午前中にはもう帰らないといけない。
それまでにある程度の整理を済ませてしまいたいのだが、何分祖母の家は物が多かった。
特に居間だ。
最初に手を付け始めたそこは、他に比べて圧倒的で、むしろそれ以外の部屋は物が少なくすぐに片付いてしまった。
そして、片付けていて気付いたことがある。
私に関するものが、全て居間にあるのだ。
過去に一緒に撮った写真たちを始め、祖母にプレゼントした物たち。
湯飲みなどの食器類まで居間の戸棚に仕舞われていた。
「これなんか、玄関に置いてねって言ったのに」
そう、過去お土産で渡した小さなシーサーの小物を撫でる。
厄除けだと伝えたはずなのだが。
ふと、未だ貼られたままのお札を見上げる。
まるで私に関するものをこの部屋に隠しているような。
そんな変な感覚がした。
「まさか、考えすぎだよね」
首を振り、先程感じた感覚を振り払う。
きっと変な妄想だ。
自分の知らない祖母にたくさん触れて、しかもお札なんかが貼ってあるから考えすぎてしまっているだけ。
それよりも目の前の片づけを頑張らなければ。
今日は千空がお茶を用意して待ってくれているのだから。
昨日の彼を思い出し、私は急ぎ作業を再開した。
「おーおー今日も汗だくじゃねぇか」
「暑いんだから仕方ないでしょう?」
ハンカチで汗を拭う私に喉を鳴らし笑う彼をじとりと見つめる。
これでも彼と会うために必死で片付けを済ませてきたのに。
もう少し労ってほしいものだ。
それを伝えても「おありがてぇこった」と楽し気に笑うのでさらに解せない。
祖母の家の片付けが終わったのは、陽も傾き始めるころだった。
ある程度必要なものを箱に詰め、玄関先に積んでおく。
後日倉庫を持っている親戚が取りに来てくれるそうだ。
家財道具以外は業者に入って処分してもらうらしく、その後あの家はしばらく空き家になる。
ちなみにお札はそのままにしてきた。
なぜか、あれ以上剝がすのは怖い気がしたのだ。
あとは業者に任せよう。
「でもそうなったら千空とまた会えなくなっちゃうね」
車で山を越えて2時間。
来れない距離でもないが、頻繁に来れる距離でもない。
それに、あの家が無くなったらこの村に泊まれる場所なんてないのだ。
「…まぁなんとかなんだろ」
「入れよ」と背中を向ける彼に思わず唇を尖らせる。
私は寂しいって思うのに、彼は違うのだろうか。
そう思いながら「お邪魔します」と社の中に足を踏み入れる。
どうやら奥に広い作りらしく、社殿の横の扉から奥が居住スペースになっていた。
「千空って神主さん…ではないよね?」
彼以外の気配が感じられない空間に首を傾げる。
そんな質問にも「まぁ色々あんだよ」と返す彼にさらに首をひねった。
色々って、何なんだろう。
「いいからテメーはここ座って待っとけ。適当に茶菓子持ってきてやる」
「どうせ腹減ってんだろ」そう言う彼におかまいなく、と返す。
案内された場所は、客間のようだった。
とりあえず一番近いところに腰を下ろす。
なんかこういう場所って落ち着かないな、とぐるりと部屋を見回す。
ふと、部屋の隅に何か貼られているのに気付いた。
祖母の家に帰ってきて二日目。
有給をとっているのは明日までなので、明日の午前中にはもう帰らないといけない。
それまでにある程度の整理を済ませてしまいたいのだが、何分祖母の家は物が多かった。
特に居間だ。
最初に手を付け始めたそこは、他に比べて圧倒的で、むしろそれ以外の部屋は物が少なくすぐに片付いてしまった。
そして、片付けていて気付いたことがある。
私に関するものが、全て居間にあるのだ。
過去に一緒に撮った写真たちを始め、祖母にプレゼントした物たち。
湯飲みなどの食器類まで居間の戸棚に仕舞われていた。
「これなんか、玄関に置いてねって言ったのに」
そう、過去お土産で渡した小さなシーサーの小物を撫でる。
厄除けだと伝えたはずなのだが。
ふと、未だ貼られたままのお札を見上げる。
まるで私に関するものをこの部屋に隠しているような。
そんな変な感覚がした。
「まさか、考えすぎだよね」
首を振り、先程感じた感覚を振り払う。
きっと変な妄想だ。
自分の知らない祖母にたくさん触れて、しかもお札なんかが貼ってあるから考えすぎてしまっているだけ。
それよりも目の前の片づけを頑張らなければ。
今日は千空がお茶を用意して待ってくれているのだから。
昨日の彼を思い出し、私は急ぎ作業を再開した。
「おーおー今日も汗だくじゃねぇか」
「暑いんだから仕方ないでしょう?」
ハンカチで汗を拭う私に喉を鳴らし笑う彼をじとりと見つめる。
これでも彼と会うために必死で片付けを済ませてきたのに。
もう少し労ってほしいものだ。
それを伝えても「おありがてぇこった」と楽し気に笑うのでさらに解せない。
祖母の家の片付けが終わったのは、陽も傾き始めるころだった。
ある程度必要なものを箱に詰め、玄関先に積んでおく。
後日倉庫を持っている親戚が取りに来てくれるそうだ。
家財道具以外は業者に入って処分してもらうらしく、その後あの家はしばらく空き家になる。
ちなみにお札はそのままにしてきた。
なぜか、あれ以上剝がすのは怖い気がしたのだ。
あとは業者に任せよう。
「でもそうなったら千空とまた会えなくなっちゃうね」
車で山を越えて2時間。
来れない距離でもないが、頻繁に来れる距離でもない。
それに、あの家が無くなったらこの村に泊まれる場所なんてないのだ。
「…まぁなんとかなんだろ」
「入れよ」と背中を向ける彼に思わず唇を尖らせる。
私は寂しいって思うのに、彼は違うのだろうか。
そう思いながら「お邪魔します」と社の中に足を踏み入れる。
どうやら奥に広い作りらしく、社殿の横の扉から奥が居住スペースになっていた。
「千空って神主さん…ではないよね?」
彼以外の気配が感じられない空間に首を傾げる。
そんな質問にも「まぁ色々あんだよ」と返す彼にさらに首をひねった。
色々って、何なんだろう。
「いいからテメーはここ座って待っとけ。適当に茶菓子持ってきてやる」
「どうせ腹減ってんだろ」そう言う彼におかまいなく、と返す。
案内された場所は、客間のようだった。
とりあえず一番近いところに腰を下ろす。
なんかこういう場所って落ち着かないな、とぐるりと部屋を見回す。
ふと、部屋の隅に何か貼られているのに気付いた。