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ゴラゴラン機能停止。機能停止。
システムダウン。
オレの胸の先っちょが……あ……あ……。 -
ボストンやったね!
機能停止だ!これでもう安心ーー -
末吉いやまだだ!
奴め、最後の力を振り絞ってビームを放つようだ!
ゴラゴラン殿!! -
ゴラゴラン行くぞ!!
プレイヤーのみんな、私は胸の先っちょからビームを出すから、一緒にビームを撃ってくれ!
行くぞ!?ハアアアアアアアア!!! -
ゴラゴランの胸の先っちょ…
そして、リクの魂が共鳴し、なんだかヤベェーパネェー5メートルくらいの黒い何かが発射。 -
同時にゴラロボもなんだかヤベェー(以下略)を発射。
ぶつかり合うビームとビーム。
お互い全力の何かが、なんだかいやらしい感じに摩擦を起こしている。 -
スリスリ、いやシュッシュ、はたまたシコ(以下略)。
その音を聞く4人は、なんだかヤベェー雰囲気になっていた。 -
ボストンヘアーッ!
やっぱりいつも通り下ネタに行っちゃったー! -
末吉お互い一歩の引かぬ暑き戦い……!
ゴラゴラン殿とリク殿の魂を足しても、奴のビームに打ち勝てないというのか……!! -
ゴラゴランウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
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その瞬間、ゴラゴランの頭の中に、ゴラロボとの会話が浮かぶ。
それは、このイベントのためにあらかじめ作っていた時のこと。 -
ゴラゴラン『ははは!ゴラロボ、こっちへおいで!歩行テストだ!』
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ゴラゴラン『あっコラ!そこはダメと言っただろう?かわいい奴め!かわいい奴め〜!!』
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ゴラゴラン『ゴラロボ、お前はいつか多くの人を楽しませるためのエンターテイナーになるんだ!イベントが終わっても、みんなが楽しかったと笑顔で言えるように!』
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いつの間にか、ゴラゴランの目に大粒の涙が浮かんでいた。
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何故だろう、こんなにも涙が出るのは。
イベントのために作っていた時点で、わかっていたはずなのに。
プレイヤーが倒したら、粉々になるのもわかっていたはずなのに。
ただこのためだけに生まれたロボを、ゴラゴランは愛してしまったのだ。
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ゴラゴランご…主人……
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ゴラゴランゴラロボ…っ!!
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ゴラゴランあ…り…が…と…ウ…
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ゴラゴランっっっ!!
ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!! -
ゴラロボもまた、自分を作った主人ゴラゴランを愛してしまった。
生まれる喜びを、出番をくれた喜びを、強いと言ってくれた喜びを、知ってしまった。 -
ふいに、いや、
最期に、ゴラロボが一言だけ呟いた。 -
ゴラゴランリク……
また出てきてもいいかい? -
リク!!
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一瞬。
リクは、笑顔で振り向いた。
それは、ゴラロボに向けて、そして画面の向こうのプレイヤーに向けてーー。 -
翌日。
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綺麗な青空を見上げて、ただじっと微笑むゴラゴランの姿があった。
それは、リクに初めて会った時に見た暗い顔ではなく、すがすがしいくらい眩しい笑顔。 -
煌アニキ、
……あいつ、行っちゃいましたね…… -
ゴラゴラン…………
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煌そりゃあこんだけ広い空ですもん、どっかで会えますよ。
またリクに会えたら、チョリーッス!って言ってやろうっと! -
ゴラゴラン……
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ボストンうううううう〜
ああああうううう〜 -
末吉まだ泣いているのかい?
…無理もないか。君は知っているんだってね。 -
ボストンそうです!
ゴラゴランさんがゴラロボを作っていた事も、楽しそうに笑っていた事も、昨日の涙も全部知ってるんです!! -
末吉……
なら私達は、そんな彼を支えないといけないな!
仲間が辛い時に泣くのもいいが、共に笑ってあげるのも仲間の仕事なんだぞ? -
ボストン……っ!
ゴラゴランさぁん!!アイス食べま…食べばあああ……!! -
煌おいおいなんだボストン?
ひどい顔してるぞ? -
末吉ボストン君らしいというか何というか…!
さて、私も隣に座ってもいいかな?
何が見えるのか気になっていてね! -
ボストンボグもおおおお!!!!
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煌オレも♪
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青いベンチに座り、空を見上げる男4人。
雲ひとつない青空に、何が見えるのか。
それは…… -
煌あ〜これいいねぇ。
今最高の気分だわ! -
末吉ボストン君、もしここに誰かを呼ぶならどんな人がいい?
やっぱり女の子かい? -
ボストンやっぱりアイドルの女の子かなぁ……
そうだ!今オススメのアイドルがいるんですよ!名前は〜…… -
ゴラゴランみんな!!!
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青いベンチから立ち上がり、
片手を上げて叫ぶ男、ゴラゴラン。
その仲間、鬼越ボストン、一ノ瀬煌、綿貫末吉。
そして、異世界を旅する少年リク。 -
ボストン!
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末吉!
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煌!
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ゴラゴラン……ありがとうッッ!!!!!
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彼らだけが、知っている。
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