以下があの日のわたしの端末に残るやりとりです。

その後、返事は来ませんでした。でもあまり深く考えず、夕食の準備やお風呂に入ったりしているのかなと思って帰路へつきました。しかし転送ゲートが動かず、わたしはスタッフに異常を報告しました。そして、本丸が襲われていたことを知ったのです。

おみやげがほしいという連絡をくれた時刻には、本丸は襲われている真っ最中で、転送ゲートの停止も間に合っていなかったと聞きました。そのまま帰っていたらわたしも巻き込まれていたことでしょう。誰かがわたしの足止めをするためにあの連絡をよこしたのです。

幸い刀剣男士たちはみんな無事でした。本丸はぼろぼろで引っ越しになりましたが……。わたしはあの連絡をくれた男士にお礼を言おうとしました……でも、その時になってあれが誰なのかわからないことに気づいたのです。

端末の名前の表示はただの「.」でした。刀剣男士たちは誰一人としてそんな連絡はしていないと言います。しかも政府の調査によるとその時わたしの本丸の通信は敵に妨害され、そんな連絡が送れるはずがなかったというのです。

いったい誰があんな連絡をしてきたのでしょうか？　思えば頼まれたのはわたしの好物ばかりで、でも北海道展なんてなかなかないし、本丸のみんなはそれがわたしの好物なんて知らないはずなんです。

確かにあの連絡で助かりました。でも、なんだか恐ろしくもあります……。いったいあれは誰だったのでしょうか……。

2025/11/08 公開