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平和な日常~夏~3

そのまま夜が更けても何人かの少女達はまだ残って宿題に追われていた。

途中から木乃香やのどかも教える側に回り特に遅れてる者達を中心に宿題を片付けていくが、そう簡単に片付くものではない。


「参加者が二百五十人を越えるって何の冗談だ?」

一方横島は勉強を教える傍らで美砂達に明日の参加者の人数を集計させているが、当初は五十人ほどだった参加者があれよあれよと増えてしまい二百五十人を軽く越えてしまう。


「明らかに店に入らない人数です」

どうも話が何処かでおかしく広がってしまい、夏休み最後のお祭りをやると噂が広がった結果着々と参加希望者が増えている。

勉強が苦手なので人数の集計に回っていた夕映は、次々には入る参加希望者からの連絡に引き攣った表情でこれをどう収集付けるのか考えていた。


「仕方ないな。 助っ人を呼ぶか」

これ以上参加者が増えると手に追えなくなると感じた横島は、超とあやかに連絡をして協力して欲しいと頼むことにする。

超には主に料理関係を頼みあやかには店に代わる会場となる場所の確保を頼むことにしたのだが、これが更に事態を変化させる原因になるとは横島も思わなかったらしい。


「相変わらず唐突な人ネ」

「会場は麻帆良湖畔公園を借りられました。 学園側からは警備員を出して頂けるそうです」

横島が連絡をしてから一時間ほどで超とあやかは店にやって来るが、超は超包子の路面電車型屋台を四台出す準備を済ませておりあやかは会場の手配から学園側への報告まで済ませてから到着していた。

会場となる麻帆良湖畔公園は、海水浴が出来る砂浜やキャンプ場などがある場所である。

広い芝生などがある割には付近の道路封鎖などが必要ない場所なので、簡単に借りられたらしい。


「ところで費用はどうするネ?」

「まだ決めてなかったんだよな~ 店でやるつもりだったし……。 一応参加費を取るつもりだったんだけど」

ある程度の概要は決まったが、問題はまだまだ山積みだった。

本来は一番重要な費用の問題も決まってないし、テーブルや椅子などの必要な物をどうするかも決まってない。


「あの……、屋台を出したいというサークルから連絡が来てるのですが……」

「なんかおかしな方向に話が進んでるな」

パーティーの会場が店から公園へと場所が変わると、噂を聞き付けた飲食系サークルが屋台を出す側で参加を希望する連絡が入って来てしまう。

これは超が明日も比較的暇な大学生を中心に超包子のメンバーを集めた結果、大学部の方までお祭りをやると情報が広まったためであった。

いつの間にか夏休みの最後のパーティーではなく夏休み最後の祭りになってしまっているが、お祭り好きな麻帆良では時々こんな風に突発的な騒ぎを起こすことがあるらしい。


「ねえ、会場にステージ設置したいから許可が欲しいって電話が来てるんだけど」

どんどん大きくなる騒ぎは、最早横島には止められない。

大学部に情報が漏れた結果、お祭りならステージを設置して盛り上げたいという連絡まで来てしまい美砂達や夕映に続き明日菜まで電話の応対をする始末だった。


「悪いけど会場の方はあやかちゃん頼むわ。 周りに迷惑をかけない範囲で頼む。 請求書はうちに回してくれ」

放っておいても進む事態に横島は覚悟を決めたかのようにため息をつくと、会場関係の問題をあやかに一任して出店関係を超に一任することにする。

終わった後の請求書に内心ではビビりながらも、今更止めるとは言い出せなかった。



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