横島君のお店開店

さて横島の新たな本拠地となる建物を少し説明しておこう

一階には車一台分の車庫があり、後は全て店舗スペースである

店舗の客席は40席あり、四人用と八人用の個室が二つあった

厨房も広く4~5人の料理人が余裕で働けるスペースがあり、他には小さな事務室と倉庫がある


二階は老夫婦の住居だったらしく20年ほど前リフォームした、バス・トイレ・キッチン・リビングなどの他に八畳間の洋室が二部屋ある

三階はどうも近年全く使ってなかったらしく、古いままだが八畳間の洋室が六部屋あった

屋上は物干し台があったが、こちらも近年使われた形跡がなくサビている


不便なところと言えば玄関は車庫の横にあり、店舗スペースとは繋がってない

これは元々地下と一階と二・三階は別物だった時の名残りだろう



「それじゃ資金稼ぎの準備始めなきゃな」

建物の契約を済ませた横島はその足で携帯と固定電話を引く契約を結びに行く

家賃は35万で光熱費やら生活費を合わせたら50万は必要だろうが、正直横島には今のところ収入のアテがない

結局横島はいろいろ考えた末に、収入を別口で得る事にしたようである


その後の行動は早かった

電話に続き電気や水道などの各種契約を済ませた横島は、インターネットを使った株取引の準備を進めていく


「後は土偶羅に任せればオッケーだな」

一連の契約やら申請を終えた横島は、土偶羅に株取引をさせて収入を得るつもりらしい

土偶羅の能力と異空間アジトの情報収集能力ならば、リスクを極限まで低くして楽に資金稼ぎが出来るのだ

お金や資金稼ぎにあまり興味がない横島は、全部土偶羅に丸投げするつもりらしい



結局その日はそれらの準備で終わってしまったため、横島は二階の一部屋に異空間アジトからベッドと布団を持ち込み始めて麻帆良で眠る夜となる



次の日になり横島はさっそく住む準備を始めるが、まだ水道すらも通ってない

まあ前の住人が綺麗に掃除をして出たらしく部屋は綺麗なままだった為、軽い掃除で十分だった

軽く掃除をした後に横島どうするか考えるが、すぐには思い浮かぶはずがない


「とりあえず、テレビと冷蔵庫と電子レンジは必要か?」

必要そうな電化製品を数点だけ異空間アジトから転送してもらいハニワ兵に運ばせた横島だったが、家具などは考えるのが面倒なので後回しにする

その結果リビングにはテレビが、キッチンには冷蔵庫と電子レンジが床に直接置かれる事になった


「まあ置き場所は後で考えるか」

当分の生活スペースはこのくらいでいいかと考えた横島は一階の店舗スペースに行くが、実はここで何をするかまだ決めてなかったりする


「占い屋にするか? でも占いを本職にはしたくないしなー」

いろいろ考える横島だったが、オカルト絡みの本職は嫌だと感じていた

かつてGSのバイトから始まって神魔と戦争までした結果、オカルトに関わるのはもう十分であり正直に言えばあまり関わりたくない

占いは元手が掛からないし女の子と知り合うのにはいいが、あくまで趣味で通したい思惑がある


「雑貨屋とかマンガ喫茶とか簡単で女の子が来る商売がいいな~」

何か気軽に出来る商売はないかと頭を捻る横島だったが、そう簡単にいいアイデアなど出るはずがなかった


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