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平和な日常~夏~2

さて水着を買いに行った木乃香達だったが、キョロキョロと物珍しそうに歩くタマモとさよが目立っていた。

二人共に家具を買いに行った時や先日の東京くらいしか来たことがない大型の店舗だったため、周りの全てが新鮮で物珍しかったらしい。

そもそも横島は基本的に異空間アジトの食料を店で使用してるので、買い物自体あまりしないのだ

まあそれでも最近は物によっては店から買う物もありたまに買い物には行くが、ほとんどが近場の商店街やスーパーなためなかなか大型のショッピングセンターなどには来る機会がない。


「とりあえず先に買い物済ませちゃおっか?」

「そうやな。 タマちゃん疲れたらあかんし……」

あちこちに興味津々な二人にゆっくりショッピングをさせてもいいかと思う明日菜と木乃香だったが、まずは目的である水着を買うことに決める。

タマモがいかに大人しくいい子でも子供には変わりなく、疲れたりしたら大変だとの配慮があるようだ。

まあタマモは図書館探検にも参加しておりそこそこ体力があるのを木乃香は理解してるが、先に目的を済ませた方がゆっくり遊べるのでどのみち先に買い物を済ませるつもりらしい。

そんな訳で水着売り場に行くのだが、タマモとさよは色とりどりの水着の数々に驚き目を見開いていた。

無論二人も水着を知らない訳ではないし、この時期に多いテレビでも流行の水着を紹介する番組を見ている。

加えて二人は昨夜ハニワ兵に水着選びのポイント教わっていた。

相変わらずタマモの服を作っているハニワ兵だが、実は最近は横島やさよの服まで作り始めている。

加えて横島に許可をもらい空き部屋の一室を借りたハニワ兵は、ミシンや裁縫道具にファッション紙などを持ち込み自分の作業部屋を作ってしまっていた。

どうも仲間のハニワ兵達に手伝ってもらったらしく、本棚やハニワ兵に合わせた作業台なども本格的に作り設置していたのである。

ついでに横島が引いたインターネットの回線で買い物もしており、ファッション紙や異空間アジトでは生産してない生地などはネット通販で購入もしていた。

その結果ハニワ兵は横島やさよよりも流行に敏感であり、横島宅で一番流行を理解してるのは間違いなくハニワ兵になっている。

まあ横島は面白いからいいと特に気にもしてないが、元々ドジだったハニワ兵が別人のように活躍する様を見ている土偶羅はハニワ兵全体の配置変えを真剣に検討し始めたとか……。


「二人ともお金どのくらいあるん?」

「えっと……、七万円ありますよ。 せっかくだから木乃香さん達の水着も買って、余ったら好きに使っていいって言ってました」

さて少し話は逸れたが水着を選ぶ前に木乃香はさよとタマモに予算を聞くが、その答えには明日菜も含めて驚いてしまう。

木乃香と明日菜も出掛けに横島とは顔を合わせたが、一切そんな話がなかったのだから驚くのも無理はない。

しかも水着を買いに来ただけなのに七万円は多すぎる。

横島は木乃香達への日頃の感謝とちょっとした見栄から財布に入っていた金をそのまま渡しただけなのだが、二人は横島がタマモのみならずさよまで甘やかし始めてるのではと苦笑いを浮かべていた。


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