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平和な日常~夏~2

「次にネギ・スプリングフィールドに関しては、未だロンドンに滞在中であります。 彼には我々以外にも各国魔法協会やメガロメセンブリアの監視が付いております」

メルディアナの問題は結局謝罪を受け入れつつ、今後は人材交流などを当面しないことで落ち着く。

以前のメルディアナはネギの祖父の働きもあり親メガロや反メガロに関わらず交流を持っていたが、現在は大半の交流が停止されている。

メルディアナの関係者は今回の件の謝罪や説明に各国魔法協会を回っていたが、やはり余計な問題を起こしたメルディアナには冷たかった。

加えて地球側とメガロメセンブリアのバランスを取っていたネギの祖父が去ったメルディアナが、今後どうなるのか各国魔法協会は注目している。

実際メルディアナでも地元ウェールズの人間とメガロの人間が権力争いを始めており、それが落ち着くのは当面先になるだろうと言うのが各国魔法協会の見方だった。

まあ大方の見方はメルディアナはメガロメセンブリアに飲み込まれるだろうとのことだったが……。

結局関東魔法協会としてもメルディアナの情勢が落ち着くまでは関わらないことになる。


そして次に報告されたのはネギの現在の状況だった。

関東魔法協会を含め地球側の各国魔法協会は、ネギがどこに行くのかを注視しているのだ。

各国魔法協会としては自分の勢力圏に来られては困るし、ネギの今後の行動次第では新たな問題が起きる可能性もゼロではない。

はっきり言うと関わりたくはないが、かと言って放置も出来ないのが現状なのである。

たかが子供一人に大げさだとの意見も多いが、ネギの両親を知る者はその危険性を理解しており最低限の監視は必要だと言うのが共通する見解だった。


「まさかとは思うが西が匿うなどないじゃろうな」

淡々とネギの報告をする担当者の言葉が終わると真っ先に口を開いたのは清十郎だった。

今まで無言を貫いていた清十郎の突然の発言に会議室は緊張に包まれる。

それは会議の参加者の多くが懸念することだった。

現在関西呪術協会のトップは赤き翼の一員でもあった詠春であり、彼はかつてアリカを助けてメガロメセンブリアに追われていたナギとアリカを匿った過去がある。

まあ当時はナギとアリカが健在だったこともあり、匿ったことが必ずしも間違いだった訳ではないが、詠春が妙な仏心を出してネギを匿うのではと清十郎は気になっていた。


「それはわしがさせん。 残念じゃが当時と今では状況がまるで違うことも婿殿も理解しておるはずじゃ。 婿殿も組織のトップとして自分の立場は理解しておる」

不安げな清十郎や会議の参加者達に近右衛門は関西呪術協会がネギを匿うことはないと言いきる。

この辺りは当時と今ではまるで違い当時のナギとアリカには再起の可能性が十分あったし、一番の問題だったアリカの無実を証明する力も彼らにはあった。

故に当時匿ったことは必ずしも間違いではないのたが、ネギの場合は未知数な部分が多いしそれ以上に厄介な部分が多い。

詠春に対してはその誠実な人柄は評価が高いものの、やはり組織のトップとしての力量には些か疑問符が付いていた。

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