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横島君のお店開店

「いらっしゃい。 珍しい組み合わせやね」

横島の代わりにカウンター席で座っていた木乃香が二人を迎えるが、珍しいエヴァと高畑の驚きの表情に木乃香は思わずクスクスと笑ってしまう


「え~と、ラーメン屋に変えたのかい?」

「ラーメンは今日の限定メニューなんよ。 一応喫茶店や」

僅かに冷や汗を流しながら尋ねる高畑に、木乃香は限定メニューだと説明するが二人は驚きというか呆れ気味になる


「あれ、この前のお嬢さんと先生じゃないっすか。 知り合いだったんっすね」

「エヴァンジェリンさんはウチのクラスメートなんよ」

厨房からラーメンを持ち現れた横島は客に提供して二人に話しかけるが、高畑が挨拶したのに対してエヴァは無視したまま一番奥の席に行ってしまう

結局木乃香がエヴァの事を説明するが、エヴァは相変わらず無視したままだった


「ラーメンを出す喫茶店は珍しいね」

「料理は趣味みたいなもんなんです。 気の向いた物を作ってるんですよ」

エヴァと高畑に注文を取る横島だがエヴァは限定メニューを指差して終わり、高畑はカウンター席に座り疑問を尋ねながら注文をする

結局二人も限定メニューの札幌ラーメンなのだが、洋食屋の店内でラーメンを食べる違和感を感じずにはいられなかった



そんな昼時を過ぎると店内は再び喫茶店の光景に戻ることになる

学生や女子寮の子達がスイーツを求めてやって来る事が多い時間であり、賑やかな笑い声が店内に溢れる時間だった

ちなみにケーキなどのスイーツも、横島の手作りだったりする

定番のイチゴショートやチーズケーキなどに始まり、日替わりで違うケーキを作っているが安い値段もあり予想以上の好評だった

中には持ち帰りを望む客もおり、メニューにはないが持ち帰り販売もこっそり行っている

調理に関しては種類も多く結構大変なのだが、生地を焼くなどの単純な工程を異空間アジトでハニワ兵にさせるなど裏技を使って乗り切っていた


少し話が逸れるが、ハニワ兵に関してはアシュタロス時代よりだいぶ強化改良されている

元々単純作業しか出来なく戦闘力も低かったハニワ兵だが、横島とドクターカオスにより様々なバージョンに改良強化されていた

中でも最も多いタイプは各種精密作業を行える労働タイプのハニワ兵である

異空間アジトにある施設の維持や農産物や工業品の生産など多岐に渡る作業を行っていた

横島が喫茶店の調理補助に使ってるのもこのタイプである

この労働タイプのハニワ兵は戦闘力は皆無だが、とにかく器用で教えた事を忠実に再現するので非常に便利だった



夕方を過ぎると会社帰りのサラリーマンや仕事終わりの近所の人が増える時間だ

女子寮の中学生はこの時間にはだいぶ減っており、よく居るのは木乃香・明日菜・夕映・のどかくらいである

木乃香と明日菜はおしゃべりをしてる事が多いが、夕映とのどかはじっくり本を読んでる事が多い

そんな彼女達も日暮れ頃には帰るため、その後は昼間と違って静かなものだった

相変わらず客のほとんどは木乃香のクラスメートや関係者だが、近所の人や近くへ来るサラリーマンなども僅かだが増えている

値段や味の割に客が増えないのは、それだけ麻帆良の飲食店のレベルの高さと宣伝などを全くしない横島が原因だろう


少ない客が途絶えるとマホラカフェの一日は静かに終わりを告げることになる


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