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平和な日常~夏~2

さてその日の夜、店を閉めた横島は久しぶりにジーンズに着替えていた。

目の前にはハニワ兵お手製のジャージを着て、可愛らしいリュックを背負ったタマモがいる。


「準備はいいか?」

「うん」

タマモの服装やリュックの重さをチェックした横島は、さよとハニワ兵に留守を任せるとタマモと手を繋ぎ外に出ていく。

実はこの日は久しぶりの図書館探検の日だったのである。

図書館探検は麻帆良祭やテストの影響で久しぶりになっていたが、ここで今回問題になったのはタマモをどうするかだった。

そもそも図書館探検と言っても大半は本の調査が活動であり、タマモには少し早いし暇で飽きるだろうと横島は考えていたのだが。

タマモ本人は以前から夕映達に話を聞いていた図書館探検に一緒に行けると喜んでいたのだ

結局横島は夕映達に許可を取ってもらい、タマモの同行にこぎつけている。

正直中学生以下の図書館探検部への入部は原則として認められておらず、今回は保護者である横島が自分で責任を持つ形でタマモの参加が実現していた。

万が一事故などが起きても、図書館探検部は一切の責任を負わないとの誓約書を残しての参加である。

実はこの辺りには抜け道があり、小学生以下は親の責任での探検部への参加は黙認されていたのだ。

いつからこんな規則があったのかは知らないが、図書館探検部自体はかなり年配の部員も僅かだが居たりといろいろ事情があるらしい。

まあ小学生以下の参加は原則としては認められていないが、保護者が参加して責任を持つなら一応許可が下りるようだった。


「気合いが入ってるわね~」

そんな訳で店の前で木乃香達と合流する横島達だったが、始めてのジャージ姿にリュックを背負ったタマモにハルナは驚きの声を上げる。

日頃は割と女の子らしい可愛い服が多いタマモなだけに、ジャージ姿にリュックという姿には少し驚いたらしい。

ちなみに日頃のタマモの服装はハニワ兵とさよが選んでいたりする。

そもそもタマモの服はほとんど全てがハニワ兵のお手製であり、デザインなんかもさよとハニワ兵が決めているのだ。

日頃女の子らしい服が多くバリエーションも多いタマモの服に、木乃香達や常連の人達は横島がちゃんと服を考えてあげてると勘違いしていたりもする。


「大丈夫? 眠くない?」

「うん、いっぱいおひるねしたからだいじょうぶ」

そんな服装からも表情からもやる気を見せるタマモに木乃香達は眠くないか少し心配するが、タマモ自身は今夜の為にお昼寝を多めにしてきちんと睡眠を取っていた。

ちなみにこれは余談だが、タマモの現在の変化の術は横島がかけた術だったりする。

普通はタマモが自分の術で変化しているが、タマモの場合はまだ変化の術に対する負担があり眠ると元の姿に戻ってしまうので、先程横島が術をかけ直してタマモを変化させていた。

これで万が一タマモが眠っても変化の術が解ける心配はないようである。



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