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平和な日常~夏~

その後横島とデフォルメされた可愛い猫のキャラクターが刺繍されてるエプロンを付けて手伝うタマモは、二人でパーティーの準備を着々と進めていった。

途中で木乃香達や超包子の面々も駆け付けてあやかが用意した食材なんかも運ばれて来ると、厨房は賑やかな声と共に様々な料理が作られていく。

他にも用事が無かった2-Aの少女達は、早めに来て料理を手伝ったり横島の代わりに接客したりと率先して手伝う者が多かった。

今回も前回の中間テストの時と大筋では変わらないが、一緒に麻帆良祭の出し物を協力して成功させた影響からか、お客様というよりは自分達で一緒にやろうという思いが強いのだろう。

テストも終わり店には常連からたまに来る客まで幅広く客が訪れていたが、何故か麻帆良祭の時のようなノリと感覚で2-Aの少女達が協力して営業していた。


「でかい鯛だな~ どうやって調理しようか?」

さてそんな訳でパーティー料理を作っていた横島だったが、あやかが用意した食材は肉や魚に野菜など種類も豊富である。

なかでも大きな天然物の真鯛は、なかなかお目にかかれないような鮮度の物だった。

「おさしみとか、タイしゃぶなんかもええな~」

「こんなことなら船盛り用の器でも用意しときゃよかったな」

横島は木乃香と大きなタイをどうするか相談するが、超包子のメンバーが基本的に中華なので横島は洋食と和食を中心に作っている。

結局真鯛は木乃香の意見を取り入れおさしみやタイしゃぶにすることにする横島だったが、一つだけ問題があり店には和食用の食器があまりないのだ。

新鮮な魚貝があることからどうせなら船盛りでも作りたかった横島だが、流石に船盛りの器なんて店にある訳がない。

結局はある食器を使って料理を作るのだが、横島は最後まで残念そうだった。


「ねえ、普通中学生のパーティーってお菓子とかチキンくらいよね。 なんで私達のパーティーはいつも豪華な料理が並ぶの?」

「今日はいいんちょのおごりなんでしょ? それにマスターと超リンは別格だから……」

夕方六時で店は閉店して2-Aの貸し切りになるが、相変わらず多国籍の料理が次々に出て来る現状に、数名の少女達は喜びの表情を見せながらも僅かに呆れたような口調も入り混じっている。

別に文句を付けてる訳ではないのだろうが、どこか常識外れな現状がちょっと普通ではないと一応理解してる者もいるらしい。

それに横島の場合は超鈴音のように完璧な人間とはほど遠いが、それでも常人とは違う凄さがあるのを2-Aの少女達は理解している。

最も凄さを無駄遣いしてるとか、実力があっても報われなかったり失敗する典型的な人間だとも思われているが

ただ一つ言えることは横島・超・あやかの三人を一緒にすると、常識がどっかに飛んで行くという結果だろう。

元々横島と超でさえ一緒にすると普通じゃないことをするのに、あやかがそれをバックアップすると結果が凄まじくなるのだからあやかもどこか普通じゃないと思われていたりする。

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