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平和な日常~夏~

そのままテストが終わったこの日は、多くの女子中高生が次々店に来店して賑やかな時間が過ぎていく

横島はいつものようにテキパキと対応するが、流石に忙しくなると大変そうになり早く来ていた明日菜とタマモが手伝っていた

いつもならば真っ先に手伝う木乃香達がこの日はテスト開けということもあり部活に行ったので、必然的に唯一早く来ていた明日菜が頑張っている

タマモはそんな二人が忙しく働くのを見て来店した客に水を運ぶのを手伝っており、これも客の女子中高生には人気だった

相変わらず主力メニューはスイーツであり、日頃あまり来ないような子も結構な数で来ていて楽しげにおしゃべりしながら午後のひと時を過ごしている


「ちょっと重いわよ。 大丈夫?」

「うん、だいじょうぶ」

夕方になり更に忙しくなると横島は厨房で料理する時間が増えて、店内は明日菜とタマモで対応していた

主に明日菜は注文を聞いて飲み物を作って出すのだが、この頃になるとタマモが水だけではなく飲み物も運ぶようになっている

正直今までさほど会話をしたことがない明日菜とタマモだが、今日はそんな感じなどまるで感じないほどしっかり会話をして協力していた

そもそも明日菜は以前から子供嫌いを自認しているが、大人しく素直なタマモに対しては嫌いだとは言ったことは一度もない

それどころか以前にテスト勉強を心配された時以来、明日菜のタマモに対する感情は良好だった

正直純粋に好意を向けてくるタマモへの対応に戸惑ってる感じはあるが、素直に懐かれると明日菜も悪い気持ちはしないらしい

加えてタマモの感情は明日菜から見ても分かりやすく、がっかりすると可哀相になるので冗談でも子供は嫌いだとは言えなかった


「なんかアスナが子供と仲良くしてる姿ってレアよね」

「よく子供は嫌いだって言ってたのに……」

さてそんな明日菜とタマモの姿を、カラオケ帰りらしい美砂達は物珍しそうに見ていた

子供嫌い云々と言うよりは、子供と関わることを避けるので仲良くする姿がレアらしい


「いいんちょとは昔っからケンカしてたもんね~ なんでも会った時からケンカしてたらしいよ」

美砂と円がレアな明日菜の話をしていると小学生時代を知る桜子が昔の話をするが、昔から明日菜は子供嫌いを自認していてあやかとよくケンカしてたようだ

ただ明日菜が本当に子供嫌いなのかは議論の余地があるらしいが……


「おれんじじゅーすとしゅーくりーむをひとつずつ、たのまれたよ」

「了解。 じゃあ窓際の入口から三番目のテーブルにこれをお願いね」

「うん」

一見心配になりそうなコンビだったが、タマモは見た目に反して記憶力がよくオーダーの聞き間違いなどなかった

加えて誰が何を頼んだかを地味に覚えてるので、見た目以上に明日菜との息が合っている

時々褒めてあげるとニッコリと笑って喜ぶタマモに、明日菜は子供がみんなタマモのように素直ならばいいのにと半ば真剣に考えていた

ちなみにこの日の明日菜を見ていた美砂達発信で明日菜の子供嫌いが治ったとの情報が2-Aに広まることになるが、今のところ大きな情報ではなくトラブルにもならなかった


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