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横島君のお店開店

さくら祭りも終わり暦は四月に入っていた

店は一番近い木乃香達女子寮の客が大半だが、それなりに客が入っている

夕映は相変わらず収支を心配しているが、収入は多くはないがぎりぎり赤字にもなってない

その訳として家賃や水道光熱費の経費はかかっているが、喫茶店に使う食材のほとんどを異空間アジトで生産してる物を使用してる為に材料費がかからないのだ

魔法組織の監視が厳しければ麻帆良の店から買うことも考えていた横島だが、魔法組織が全く監視などをしない為に異空間アジトの食材を使用しても問題ないと考えている


ちなみに異空間アジトでの食料生産についてだが、これは喫茶店に関係なく昔から行われていることであった

神魔戦争当初から戦況が悪化するのを予想いた仲間達は、異空間アジトの広大な土地とハニワ兵の労働力を利用して食料の生産や工業品の生産などを次々に始めていたのである

農産物のタネや各種工業の情報などは、全てアシュタロスが古来より集めていたためにさほど苦労もなく生産されて行った


かつてアシュタロスは滅びを願いつつも、自身が魂の牢獄を抜け出した先の準備も着実に進めていたのだ

神界・魔界・人間界のありとあらゆる情報を収集して、必要な物はサンプルとして確保している

まるでノアの方舟のように、かつての世界での情報や物を密かに収集していたのであった

それは情報だけでアカシックレコードにも匹敵する規模であり、それらは全て土偶羅の管理の元で異空間アジトのメインコンピュータに保存されている

その土偶羅とメインコンピュータは、コスモプロセッサーと同じ理論とシステムから開発された究極の管理システムだった

ちなみに世界の情報収集活動は横島に異空間アジトが引き継がれた後も土偶羅の手により継続されており、新しい世界に来た現在も密かに行われている

土偶羅の本来の役目はアシュタロスが残した知識や技術の管理と、世界の情報や物品の収集とその管理であった

さて少し話が逸れたが、そんな訳で食材の費用がタダな分だけ赤字にはなってない

加えて横島が土偶羅に任せた資金運用だが、あまり目立たないように少しずつ増やしてるらしい

元々喫茶店の維持に必要な資金を集めるのが目的であり、必要以上に資金を集める必要はまるで無かったのだ



そんな春の朝横島は日の出と共に早起きして、庭の花壇の手入れを始めていた

店の客席から庭と花壇が見えることもあり、手入れをしなければせっかくの景色が台なしになってしまうのだ

そんな庭の広さは結構あるが、基本的には何処にでもあるような普通の家の庭である

配置としては建物側は全て花壇となっており、店の客席から見える花壇は大小複数あるが四季に合わせていろいろな花を植えていたようだった

チューリップなどの多年草の花は今年もしっかり芽を出しており、他には毎年植えていた花もあったようである

一方建物から離れた場所はハーブなどを植えていた畑になっており、庭を囲むようにある壁沿いにはキウイや柿や梨などのフルーツの木が僅かだが育っていた


横島はまずはチューリップなどの多年草の花壇の草むしりから始める

広さが結構あり本当はハニワ兵にでも手伝わせたいのだが、敷地を囲む塀は二メートルくらいな為に隣接する建物の二階や三階から庭が見えるため使えない

結局横島は毎日少しずつやっていくことになる


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